読書をする気がしないのは、あなたにふさわしい本を読んでないから。

「読書をしようと思いながらも、なんだかやる気がでない…」
「読もうと思って買ったけれども、積読になってしまっている…」
そんな人は多いのではないでしょうか。

読書はした方が良いとわかっていながらも、実際にやるのは面倒だったり、時間がかかったりで、なかなかできないものです。
そういった状態が続いてしまうと、「自分は怠慢な人間だな」などと思ってしまうかもしれません。
しかし、それはあなたが怠慢なせいなのではありません。
読書をする気が起きないのは、読むべき本と出会えていないことが原因なのです。

読むべき本に出会うことができれば、わざわざ本を読もうなどと思わないでも済みます。
そんなことを思わなくても、勝手に読書が進みますから。
では、どうすればそんな読むべき本に出会うことができるのでしょうか
今回は、そのことについてみていきます。

読書

関心があることについて書かれた本を読もう

自分が読むべき本に出会えれば、努力しなくても、読書が進みます。
では、そうした読むべき本とは一体どんな本なのでしょうか。
それは、自分が関心のあることについて書かれた本です。

ここでいう関心と言うのは色々な意味があります。
趣味や生活の中で単純に興味のあるもの。
仕事で使うスキル、問題への解決方法。
不安や心配事。
このように何でもいいから気になっていることを指します。

では、なぜ関心のあることについて書かれた本を読むのがいいのでしょうか。
関心のあることと言うのは、実生活に密接に関係しています。
趣味や仕事、解決しなければいけない問題。
これらに関する知識は、使われることが前提です。
それを前提に読むから、「良い情報を見つけよう、そしてそれを吸収しよう」という意識が働きます。
本に対して積極的な姿勢で入り込むことができるのですね。

さらに、そうした知識は学んだあと実践されます。
たとえば仕事のスピードを上げたいと思って仕事術の本を読んだら、当然それは実践されますよね。
学んだあとすぐに実践されるので、その知識は定着しやすくなるのです。
人は何かを知っただけでは、すぐに忘れてしまいます。
それを定着させるためにアウトプットの場を設けないといけないのです。
実践と言うのは、最高のアウトプットなので、それを通じて効率よく知識が定着していくのですね。

さらに実践を続けていくと、目に見えた効果が表れてきます。
これを一度体験すると、
読書をして知識を得る→それを実践する→成果が出る
という成功のサイクルに気付きます。
そうすると読書をすれば人生が上向いていくということを実感とともに理解することができるので、自然と読書への熱も高まるというわけです。

一度まとめておくと、以下のようになります。
関心のある本を読むことで、まず読書に対する姿勢が積極的になります。
「知識を吸収しよう、それを活用しよう」という姿勢で読書に望めるのです。
そして、それらはすぐに実践されることになるので、ただの知識でなく、自分の血肉となっていきます。
実践を通じ成果を出せるようになります。
このサイクルを経験すると、「読書により知識を得る=成功できる」ということに気付けます。
これに気付けば、自然と読書欲も高まってくるのです。

問題解決のために読書するのが一番いい

読書を価値のあるものにするには、自分の関心事にまつわる本を読むことが重要です。
そして、もっと言うならば、自分の問題を解決してくれるような本を読むのが一番いいです。
なぜなら、問題解決と言うのは一番緊急度が高いからです。

趣味の本でも興味をもって読むことができます。
しかし、そうした知識は別にあってもなくてもさほど困りません。
さらに、それを実践しないといけないという必要性もそこまで高くはありません。
たとえば、ギターを上手く弾くコツを知ったからと言って、それを知らないと困るということはありません。
そして、それを実践しないと生活が困窮するというわけでもありません。
上手く弾けたらもちろんいいですが、別に下手でも生きていく事はできますからね。

ですが、問題解決はそうはいきません。
たとえば、親が脳梗塞で倒れてしまった場合。
保険金はどうするのか、入院費はどれくらいかかるのか、介護の費用は…
などといったことを知らないといけません。
そして、それらの知識はなければ困るものです。
保険金を受け取れないと困りますし、入院費がどれくらいかわからなければ、今後の生活にどの程度影響があるかもわかりません。
その知識を得ること、そしてそれを使うことが、今後の人生に大きな影響を及ぼします。
このように必要に迫られた時、人はそれを真剣に得ようとするのです。

上の例は差し迫った問題ですが、もっと慢性的な問題にも同じことが言えます。
収入を上げたい、キャリアを向上させたい、もっと文化的な暮らしをしたい…
そういった問題であっても、その解決に真剣であれば、読書のテーマに値すると言えるでしょう。

自分の問題が何かを知る

価値のある読書をするためには、自分が関心のある本を読まないといけません。
そうした本を読むには、当然ですが自分の関心が何にあるのかということを知らないといけません。
自分の関心が明らかな場合は、特にここで迷う必要はありません。
そのまま読みたい本を読めばいいのです。

問題は自分の関心事が何かわからない時です。
そんなことあり得るのかと思うかもしれませんが、人間と言うのは自分のことがわかっているようで、意外とわかっていないものです。
自分が今何に関心があるのか、何に困っているのかというのは改まって考えてみないとわからないものです。
ですから、すぐに自分の関心事が何か思いつかない人は、一度ゆっくり考えてみましょう。
しかし、ただ漠然と考えるだけではなかなか見つからないかもしれません。
そんな時は、「何を改善したら自分の生活が良くなるか」、という観点で考えてみましょう。

問題点を探すというと、どうしてもマイナスの要素を探してしまいます。
しかし、マイナスの要素と言うのは、嫌でも目立つので探さなくても自然と目につきます。
問題点が見つからないというのは、目立ったマイナス要素が見つからないということです。
そういう時は、マイナスを減らすのではなく、プラスを増やしていくという考え方に変えていきます。
ゼロをプラスに変えていくのですね。

たとえば、仕事の効率化を図るという観点で自分の生活を見直してみます。
すでに、仕事は定時内で終わっています。
これは、ゼロの状態ですね。
これをプラスにするには、定時前に仕事を終わらせたり、時間内でもっと多くの仕事を終わらせる必要があります。
そうすれば、時間に余裕ができるので、スキルアップしたり、今後のキャリアの方針を考えたりと、さらに飛躍するために時間を使えます。
つまり、ゼロがプラスになっていますね。

人間はマイナスがあるとすぐにそれに気づきますが、もっと改善できる部分と言うのにはなかなか気づきません。
だから、そうしたものを見つけるには意識的に考えてみる必要があるのです。
そうすることで、自分の問題が何なのかを知ることができるのです。

興味のある本を読んでいれば世界は広がる

関心のある本を読めば読書の質は高まります。
しかし、ここで一つ疑問があります。
それは、「興味のある本だけ読んでいたら情報が偏ってしまうのでは?」という疑問です。
結論から言いますと、そんなことはありません。
自分が興味のある本だけを読んでいても、結果的には知識は広がっていきます。

あるテーマの本を読んだとしても、そのテーマ以外のことも書いてあります。
そしてその内容は本ごとに異なっています。
一つのテーマについて書かれた本だけを読み続けても、少しずつその周辺知識も補われていくのです。

そして、その周辺知識と言うのは、テーマの理解を助けるために記載されているものです。
たとえば、心理学の本を読んでいるとNLPや行動経済学という分野の説明がでてきたりもします。
これらは互いに全く独立しているわけではなく、重なる部分があります。
ですから、本を読んでいるうちに新しい分野がでてくると、そっちのほうにも興味がでてくるのです。
文中にある本の引用が載っていたりすると、その本に興味がでてきますよね。
それと同じことです。

そしてそれらの新しい分野の本も、最終的には自分の生活を向上させるという目的に適っています
派生元の本はそもそも自分の生活を向上させるために読み始めたものでしたね。
その理解を深めるために周辺テーマが存在しているのであれば、それもまた自分の生活を向上させてくれるものだということです。

ですから、まずは自分の興味ある本を読みましょう
それを突き詰めていくうちに読書の幅も知識の幅もどんどん広がっていくのです。


夢をかなえる読書術

日本限定、Kindleマンガモデルは「ちょっと高機能なKindle」

10月21日にKindleマンガモデルが発売されます。
日本限定のモデルだそうです。
今回は、このKindleマンガモデルについてみていきたいと思います。

電子書籍

商品仕様

このKindleマンガモデル、ひとことで言えば、
「従来のKindleに比べ、容量が大きくなり、ページめくりの速度が向上したモデル」
ということができます。

32GBの大容量ストレージ

Kindleマンガモデルは、従来のKindlePaperWhiteと比べ、容量が大きくなっています。
従来の4GBから、8倍の32GBになっています。
これは、マンガなら約700冊、書籍なら数千冊に相当する容量です。
端末自体にたくさんの本を保存しておきたいという人にはうれしいですね。

ページめくりの速度3倍に

Kindleマンガモデルでは、ページめくりの速度が33%向上しています。
つまり、だいたい3倍くらいスピードが速くなったということですね。
マンガを読む際には便利かもしれません。

新機能「連続ページターン」

Kindleマンガモデルでは、従来のKindleにはなかった新機能が追加されています。
それが、連続ページターンです。
これは、画面を長押しすれば、ページが高速で切り替わるというものです。
お気に入りのシーンまで飛ばし読みしたいときに便利です。

Kindleマンガモデルは日本限定モデル

Kindleマンガモデルは日本限定モデルだそうです。
日本では諸外国と異なり、漫画市場が非常に大きく、その消費量が大きいです。
そのため、Kindleにおいても日本独自の要望が多かったようです。
それが「大容量」と「高速ページ送り」の機能です。
日本ユーザーの要望を吸い上げて作られたのが、このKindleマンガモデルということです。

参考:アマゾン、「漫画用キンドル」は売れるのか?

個人的な感想

Kindleマンガモデルという名前になっているから、どんな機能がついているのかわかりにくいですが、結局は通常のKindleに、
・32GBの大容量ストレージ
・高速ページ送り
・連続ページターン機能
がついているということです。
マンガモデルと考えるより、少し高機能なKindleと考えたほうがわかりやすいです。

Kindleマンガモデルの値段は、16,280円。
通常のKindleは、14,280円なので、+2,000円でこれらの追加機能をつけられることになります。

今Kindleを持っていなくて、新しく買いたいというのであれば、Kindleマンガモデルは悪くない選択肢だと思います。
マンガモデルとありますが、別に問題なく普通の本も読めますし。

ただ、既にKindleを持っているのであれば、わざわざ買い替える必要はないかな、と感じます。
クラウドに本を保存できるので、ネットさえつながれば本体に本を置いておく必要はないです。
なので、大容量ストレージを買い替えてまで欲しいかと言われると微妙です。

ただ、高速ページ送り機能は、魅力に感じます。
普通の本を読む際も、ページ送りが少し遅いなと感じる時があります。
これが漫画だとしたら、結構なストレスになるでしょう。
なので、ページ送りの遅さにストレスを感じている、Kindleを漫画メインで使ってるという方は買い替えるのもアリかもしれません。

総括すると、
・Kindleをはじめて購入するならアリ
・既にKindleがあるなら、購入するのは微妙
・それでもストレスを感じるのであれば、買い替えるのもアリ?
と言った感じです。

時間が無くても大丈夫!めんどくさがり屋のための読書術。

読書術

読書をしたいとは思っているけれど、
「時間がない」
「めんどくさい」
このような言い訳が頭をよぎり、結局やらないまま。
そんなことはよくあるかと思います。

でも、読書を習慣にできたら得るものは大きいです。
単純に知識がつくこともそうですが、一番のメリットは思考力がつくことです。
文の内容を読んで、理解するのは論理的思考を使います。
毎日その訓練をすることによって、考える力がどんどん伸びていくのです。
頭がよくなれば、仕事もプライベートも今以上にスムーズに進めることができますよね。

読書に限らず、何か新しいことを始めるというのは、なかなかしんどいものです。
やろうやろうと思っていても、ついついさぼってしまいますよね。

しかし、ちょっとしたコツで、毎日簡単に読書をすることができます
では、それは一体どんな方法なのでしょうか?

ちゃんと読もうとしない

それは、ちゃんとやろうとしないことです。
なぜ、読書をするのがめんどくさいのか?
それは、ちゃんと読もうとするからです。

たしかに、ちゃんと読むことは大事です。
しかし、本を読むのすら大変な状態で、ちゃんと読もうとしたら絶対辛いです。
これは、普段運動しないのにいきなりフルマラソンをするようなもの。
続くわけがありません。

そんな辛い読書を続けると、だんだん億劫になってきます。
読書に対しても、辛い、つまないといったイメージがついてしまうので、ますます本から離れていってしまいます。
そんな辛い思いをしてまで読書をする必要はありません。
気負わず、気軽に読めばいいのです。

5分でもいいから毎日読もう

しっかり本を読もうとすると、まとまった時間が必要です。
しかし、忙しい現代人はなかなかまとまった時間を取れません。
そうなると、
「あとでいいや」とか
「面倒だしやめよう」などと考え、結局やらずじまいになってしまいます。

このような悪循環に陥ってしまうのは、「読書は時間をとって腰を据えてやるもの」という思い込みのせいです。
ちょっと敷居の高いイメージがあるから、なんだか億劫になるのですね。

ですから、このイメージを変えてしまいましょう。
1日5分、気が向いたときにちょっと読む。
別にこれでいいのです。
5分でも学べることはたくさんありますし、頭だって鍛えられます。

たった1日、全力で筋トレするのと、毎日少しずつ筋トレするのではどちらが結果が出るでしょうか?
当然、毎日やる方ですよね。
それは、読書も同じこと。
しっかりやるよりも、多少雑でもいいから長く続けることが、何よりも大事なのです。
そのためには、毎日少しずつ、無理のない範囲で続けましょう。

読みたい本を読む

ちゃんと読もうとしない。
辛くないペースで少しずつ読んでいく。
これだけでもだいぶ読書が続くようになります。
でも、一番いいのは、読みたい本を読むことでしょう。

「話題の新作を読みたい!」
「前々から読んでみたかった本がある!」
このようなワクワクする気持ちが、一番のモチベーションです。
普段本を読まないのに、ふと手に取った小説にのめり込んでしまい、徹夜で読んでしまった。
なんて経験のある方も多いでしょう。
それほど、ワクワクする気持ち、楽しい気持ちというのは強力なものなのです。

どうしても、読みたい本がないというときは、自分が抱える問題や悩みをテーマにした本を読むといいです。
人間関係に悩んでいたら、会話の本。
仕事で文章を書くことになったら、文章術の本。
このような本は、自分のこれからに直結するので、のめり込み具合が違います。
意気込まなくても、「なんとか学んでやろう!」という気持ちになるのです。

読書は、何を読んだから偉いというものではありません。
あくまで個人的な活動です。
ですから好きな本を、好きな時に、好きなだけ読めばいいのです。
まずは、気負わずに読みたい本を手に取ってみることからはじめてみましょう。

漫然と本を読むことをやめよう!読書の効果を高めるための3つの方法!

読書

読書は大切なことです。
読書をすることで、自分の経験だけではカバーできない様々なことを知ることができます。
しかし、ただ漫然と本を読むだけではこれらの恩恵を受けることはできません。
読書によって学びを得たいのであれば、それなりの読みかたをする必要があるのです。

具体的な行動に落とし込む

本に書かれている内容を自分の血肉とするには、それを実践することが大事です。
そのためには、本に書かれている内容を具体的な行動に落とし込むことが大事です。

たとえば、「努力が大事」ということを、ある本から学んだとしましょう。
しかし、それを学んだだけでは不十分です。
それを意識した上で、具体的な行動を起こすことが必要なのです。

たとえば、
努力が大事→だから勉強をしよう→そのために、毎日15分勉強をする
といった具合です。
このように今すぐ実行可能な具体的な行動にまで落とし込むことが大事です。

本に書かれていることは、原則的なこと、抽象的なことが多いです。
ですから、それをそのまま自分の生活に取り込むのは難しいです。
そのためには、具体的な行動に落とし込むというひと手間が必要なのです。

アウトプットして定着させる

読んだ直後は覚えているけど、しばらく経つと忘れてしまう…
そんな経験は誰にもあるかと思います。
せっかく知識を得たのに、それを忘れてしまってはもったいないですよね。
本を読むのに費やした時間が、無駄になってしまいます。

これを防ぐには、本の内容を記憶に定着させる必要があります。
記憶に定着させるためには、アウトプットを習慣にするのがいいです。
たとえば、読書ノートをつける、重要な文をtwitterでつぶやくなどなど。

このようなアウトプットを習慣にすることで、読んだ内容が定着していきます。 無理のない方法から徐々に始めていくのがいいでしょう。

読んだら忘れない読書術

アナロジー思考をつかう

アナロジー思考とは、一見関係ないある分野の知識を別の分野に転用することです。
具体的には、以下のようなものです。

たとえば、お店を経営するのと、ホームページを運営するのでは、まったく別のもののように見えます。
しかし、人に来てもらうことが重要という点では同じです。
となると、お店の経営のテクニックはホームページ運営にも適用できるということがわかります。
もちろん、その逆もまた然りです。
このように、一見異なるものでも共通点を探すよう意識することで、思いがけないアイディアが得られることがあります。

このように、ものごとの本質を見抜くことで、いろいろな分野に適用することができます。
アナロジー思考をマスターすることによって、一見関係ない本からでも、人生の問題を解決するヒントを得られるのです。

大事なのは読み続けること

本からの学びを高める方法を紹介してきました。
これらの方法を意識しることで、読書の学びは大きくなります。

しかし、大事なのは本を読み続けることです。
これらの方法を意識するあまり、読書が億劫になってしまっては本末転倒です。
ですから、無理のない範囲で続けることが大事です。
少しずつでも続けていく事によって、できることが増えていきます。
最初から焦らず、すこしずつやっていく事が大事です。

1冊20分、読まずに「わかる! 」すごい読書術

本読んで、何をしたいのかが重要。読書が目的になってはいけない。

読書はいいことです。
他者の考えを知ることで、世界が広がります。
それに、読んだ内容について考えることで、思考力が深まります。
そして、自分の意見が形成され、ものごとの判断軸ができます。

本、読書

しかし、これらは意識して読書をした場合の話です。
ただ読んでいるだけで、このような恩恵が受けられるわけではないのです。
本を読むことが目的になっている人。
読んだ本の数が多ければ偉いと思っている人。
そのような人は、読書の恩恵にあずかることはできません。
読書はあくまで手段であって、目的ではないのです。

これは読書以外にも言えることでしょう。
たとえば、勉強一つとってもそうです。
ただ何となく勉強した方が良いからという理由では、その勉強は意味がありません。
勉強することが目的となってい待っているからです。
本当は、何か達成したいことがあって、そのために不足しているものを勉強するというのが、勉強のあるべき姿です。

このように、私たちは意識していないと、目的と手段が逆転してしまうのです。
そうならないためには、常に目的を意識することが大事です。
今自分がやっていることの先にはどんな目的があるのか。
それを意識することで、全ての時間が目的のために必要な時間となるのです。

常に目的を意識しながら生きていく事を心がけていきましょう。
読書でも、勉強でも、人生でも同じことです。

読んだら忘れない読書術

小説にもビジネス書にも良さはある。どっちも読むのが一番いい。

「読書は学びが大きいけれど、小説は読んでも意味がない」
このような意見をよく聞きます。
たしかに、時間あたりの学びの量という観点で見たらそうでしょう。
ビジネス書だったら、重要なポイントを短時間で学ぶことができます。
小説の場合は、ひとつのテーマについて長い時間をかけて語っています。
しかも、主題はわかりづらいです。
読み手が解釈する必要があるのです。

本

しかし、学びの量ではなく質で考えてみたらどうでしょうか。
小説は、長大なストーリーを通じ、ひとつのことを問い続けます。
その過程で得られる学びは、ビジネス書で手軽に学んだものよりも、強烈に、深く心に刻み込まれるでしょう。
また、明示されない答えを自ら考えることでも深い気付きを得ることができます。

このように考えれば、小説もビジネス書も、それぞれ良さを持っているのです。
重要なのは、その良さを理解し、真摯に学びとろうとする姿勢です。
小説、ビジネス書の二項対立に限った話ではありませんが、色々なものに触れ、考えることで、学びは深みを増していくのです。

読書について 他二篇 (岩波文庫)

興味ある本を読めば、内容は勝手に身につく。

読書をするのは大切なことです。
色々な知識や価値観を得られ、それらが人生を豊かにしてくれるからです。
高収入の人ほど読書量が多いという統計も出ています。

しかし、読書は大事だからと言って、やみくもに本を読んでもあまり成果は出ません。
なぜなら読んだ本の内容が定着しないからです。
なんとなく読んだ本の内容は、なんとなく抜けていくものなのです。

では、どうすれば知識が積みあがっていく、意味のある読書ができるのでしょうか。
今回はそのことについてみていきます。

本、興味

必要な知識に関する本を読もう

ただやみくもに読書をするだけでは、内容は定着しません。
なぜなら、その知識は使うことを前提としていないからです。
だから、本を読んでも「ふ~ん」で終わってしまうのです。

本の内容を定着させるには、差し迫った必要のある分野のものを読むのが一番です。
たとえば、仕事で使う知識のことを本で勉強しようとします。
その場合、使うことを前提としているので、記憶しようという強い動機が生まれます。
また、使える知識がないかという意識で本を読むので、なんとなく読むときと比べたくさんのことを学べます。
そして、それらの知識は実際に使われることになるので、その実践を通じさらに強化されていきます。

必要に差し迫ったものを学ぶことは、
・積極的にインプットできる
・アウトプットの場がある

という理由から、読んだ内容が強力に定着するのです。

本は読みたいときにすぐ読む

読んだ内容を確実に定着させる、効率的な読書をしたいなら、差し迫った必要のあるテーマの本を読むことが大事です。
また、それと同時に読みたいときにすぐ読むということも大事になってきます。
なぜなら、その瞬間が一番読書に対するモチベーションが高いからです。

本を買う時というのは、その本から何らかの知識を得たい時、そしてそれによって自分の生活を向上させたい時です。
そして、そのイメージが一番鮮明な時に本を購入します。
つまり、購入するときが一番読書に対するモチベーションが高いのです。
だから、読みたいと思った時にすぐ購入し、すぐに読み始めることが大事です。
そういう点では電子書籍は便利ですね。

また、読み始めの勢いで一気に読むのがいいです。
高いモチベーションのまま一気に読んでしまうのです。
読書に限らず、間が空いてしまうと人間というのは気持ちが覚めてしまうもの。
だから、そのすきを与えずに一気に読んでしまう方が、積読にならずに済みます。
やっぱり日を空けてしまうと、そもそもそのテーマに対する興味が薄れてしまうので、積読になる可能性が高いです。

同じ理由から、本のまとめ買いもあまりお勧めしません
その時は読もうと思っても、しばらくたつとその気がなくなってしまいます。
セールなどであっても、結局お金の無駄になってしまうので、本は読みたいときに1冊ずつ買いましょう。

読んだ内容をまとめておこう

積極的にインプット、アウトプットしても、はやり時間が経つと忘れてしまいます。
また情報量が増えてくると、整理が行き届かなくなり、必要な情報が出てこなかったりします。
ですから、読んだ内容はどこかにまとめておきましょう

せっかく時間をかけて身に着けた知識です。
忘れてしまったらもったいないですよね。
ですから形式はなんでもいいので、どこか一か所に自分の学びをまとめておきましょう
そうすることで、読書から得た知識が確実に蓄積されていきます。

次に、肝心のまとめ方についてですが、まずは得た知識をそのまま放り込んでしまいましょう
メモ帳でもエクセルでも構いません。
しかし、このままではどんどん散らかっていってしまい、欲しい情報が探せなくなります。
ですから、ある程度たまったらカテゴリわけをしていきましょう。

カテゴリわけは難しそうに感じますが、実際にやってみると意外と楽に終わります。
とうのも、そこにある情報というのは、自分の興味に基づいたものだからです。
読む本というのは、自分が関心のあるものです。
ですから、必然的に集まる情報も自分が興味のあるものがほとんどになります。
だから、ある程度たまったらあとは自分の興味の基づいてカテゴリ分けしていけばいいのです。
そうするときれいにまとまってきます。

ただし、当たり前ですが自分の興味というのは、時とともに変化していきます。
ですから、定期的にメンテナンスをしていくことも重要です。
少し手間ですが、読書から得たものが積み重なっていくというメリットを考えれば、利の方が勝ります。
一回作ってしまえば、あとは運用するだけなので、思い切って作ってみることをおすすめします。

読書で学んだことはすぐには役に立たない。それでも読み続けることが重要。

「読書はした方がいい」
このような文句をよく聞くかと思います。
学生の方だと特に多いでしょうね。

たしかに、読書はしないよりはした方がいいような気がします。
しかし、「じゃあなんで読書をした方がいいのか」と聞かれたとき、具体的な答えが出せるでしょうか。
恐らく答えは出ないのではないでしょうか。
きっと「本を読め」と言っている周りの人たちも、はっきりした答えは示せないんじゃないでしょうか。

本を読むことによるメリットがわからないのに、本を読もうとはならないですよね。
この先に何があるのかもわからないのに、穴を掘り続けるようなものです。
そんなのは、辛いし続かないですよね。

ですが、やっぱり読書は絶対にした方がいいです。
そこで今回は、読書をするメリットを見ていきましょう。

読書

言語能力を使うことにより、知能が強化される

読書の最大のメリットは、なんといっても知能の向上です。
読書を続けていれば、頭がよくなるのです。

ここでいう頭の良さというのは、単純に知識が増えるとかそういう話ではありません。
もっと汎用的なもの、いわば頭の回転が早くなるようなイメージでしょうか。
たとえば、
・相手の言わんとしていることを素早く理解する
・状況を踏まえ、どう行動するべきかを瞬時に考えられるようになる
・複雑な問題を解決できるようになる
などといった感じです。

では、なぜ読書によって、そうした汎用的な頭の良さが鍛えられるのでしょうか。
それは読書が言語処理を伴う作業だからです。

言語というのは、抽象的・概念的なものです。
抽象的、概念的というと難しいかもしれませんが、要は実態がないということです。

たとえば、1という数字について考えてみましょう。
当たり前ですが、1という数字の意味は分かりますよね。
リンゴが1個、椅子が1個、にわとりが1羽…
イメージもつきます。

では、「1とはなんですか?」と聞かれて、うまく答えられるでしょうか。
「何かが1つあること」
これでは、1という数字を使っているので、説明になりませんよね。
「2よりも小さいもの」
じゃあ、2とは何か、という話になってしまいますね。

このように言葉というのは、突き詰めると説明できないものです。
1という数字は、概念、イメージでしかないのです。
これは数字だけではありません。
たとえば、犬、人間、パソコン、読む、書く…
言葉というものすべてがイメージに過ぎないのです。

そうした言語を処理するということは、抽象概念を理解し、処理するということに他なりません。
つまり、読書をすることで、言語処理能力が鍛えられ、それに伴って抽象化能力も身につくということです。

さて、話がそれてしまいました。
読書によって、汎用的な知能が高くなるということに話を戻しましょう。
読書は抽象化能力を鍛えることができます。
そして、その抽象化能力というのが、まさに汎用的な知能なのです。

たとえば、相手の話を素早く理解するということについてみていきましょう。
相手の話を理解するには、さまざまな要素が必要ですが、イメージできることが何よりも大事でしょう。
相手の話を聞いて、そのイメージが頭の中に浮かんでくることが大事なのです。

そのために何が必要かというと、自分の中のイメージと照らし合わせてそれを引っ張り出してくることが大事です。
これだけだと、何を言っているのかわからないかと思います。
たとえば、インターネットを知らない人がそれを理解するためには、何か他のイメージを使います。
たとえば、クモの巣を例に考えてみると、こんな感じです。
「コンピュータ同士がクモの巣ように張り巡らされていて、相互にデータをやり取りできる。
ということは、クモの巣の糸がケーブルで、クモの巣が交わるところがパソコンにあたるのか。」
という風に理解することができます。

このようにイメージするには、ものごとの共通項を見つけることが必要です。
インターネットもクモの巣も、お互い何かが張り巡らされていて、相互につながっています。
そうした共通項があるから、それを使ってインターネットを理解することができるのです。

共通項を見つけるには、ものごとの本質や構造を理解することが不可欠です。
そうしたものを見るけるのに、抽象化能力が必要なのです。
インターネットもクモの巣も、何かが張り巡らされているという構造に注目したから、共通項が見つかったのですね。
そうした構造を見出すには、不要な要素を排除することが必要です。
この場合、「インターネットは電気が通っているが、クモの巣は何も通っていないじゃないか」ということは、重要ではないのです。
「何が重要で、何が不要なのか」、これを理解することが必要です。
そして、その能力こそが抽象化能力なのです。

抽象化能力があれば、問題の解決も早くなります。
ある問題が起きた時、その本質や構造が理解できれば、過去に起きたそれと同じ本質や構造を持つ問題の解決方法を適用すればいいのです。
そうすれば、ゼロから解決策を考えるよりも、早く確実に問題を解決できますよね。
このように抽象化能力というのは、高度な知識活動をするにあたって、非常に重要な能力なのです。

だいぶ長くなってしまったので、一回まとめておきましょう。
まず、読書をすることによって、言語能力が鍛えられます。
言語能力とは、つまり抽象化能力とイコールと言えます。
つまり、読書をすることによって、抽象化能力が鍛えられるのです。
そして、抽象化能力というのは、相手の話を素早く理解したり、問題を素早く解決するなどの高度な知的活動に不可欠な能力です。
ですから、読書を習慣にすれば、高度な知的能力が身につくということなのです。

もちろん、1冊2冊読んだからと言って、すぐに頭がよくなるわけではありません。
少なくとも1年ほど、読書をする習慣を続ける必要があります。
根気は必要ですが、読む本を選べば楽しみながらできますし、お金だってそんなにかかりません。
読書は、お手軽に知的能力を高められる、おすすめな方法と言えるでしょう。

今までの生き方を見直せる

本というのは、著者の考え方を著したものです。
ですから、本を読むことによって、著者と対話できると考えることもできます。
多様な人と対話をすることは非常に大事なことです。
なぜなら、そうすることで幅広い考え方を得ることができるからです。

同じような人とばかり話していると、考え方が凝り固まってしまいます。
もっといい生き方があるかもしれないのに、それに気付けずに安易な方法を選択してしまうのです。
そうすることによって、自分の人生の幅が狭まってしまうのですね。

ですが、実際にたくさんの人と対話するのは、大変です。
いろいろな場所に行かないといけないし、アポイントを取らないといけません。
しかし、読書であれば、そうしたことを考えずに済みます。
読みたいときに、読みたい時間だけ読めばいいのです。
中断したい時も、好きなタイミングで中止できますし。

それに読書であれば、どんな人とでも対話することが可能です。
絶対に対話することができないような偉い人
既に亡くなっていて、絶対に話ができないような人
全然違う時代に生きていた人
そうした、現実には対話不可能な人たちとも話すことが可能なのです。
それによって、自分の考え方の幅もどんどん広がっていくのです。

思いがけないところで、その知識が身を助ける

読書に限った話ではないですが、学んだことというのはすぐには役に立ちません。
人生で起こる問題というのは、千差万別です。
それに対応する解決策もさまざまです。
そんな中で、たまたま1つの知識を得たところで、それがすぐに役に立つということはないのです。

たとえば、受験勉強を思い出してください。
公式を1つ覚えたからと言って、それがすぐに役に立つでしょうか。
本番の試験では、その問題は出ないかもしれません。
もしくは、その知識だけでなく他の知識も組み合わせないと解けない問題が出るかもしれません。
その公式を知っているだけで、テストを解けるわけではないのです。
読書もそれと同じことが言えます。

勉強でも読書でも、大事なのは学び続けることです。
知っていることが増えれば増えるほど、いろいろな問題に対処できます。
知識を得るというのは、その可能性を少しでも上げるための手段です。
ちょっとやったからといって、すぐに成果が出るようなものではありません。
やり続けることで、はじめて成果が出始めるのです。
これは、通常の努力と同じですね。

だから、すぐに役に立つかどうかだけで判断してはいけないのです。
とにかく色々なジャンルをまんべんなく読むことが大事です。
いつその知識に助けられるかわかりません。

情報が増えれば増えるほど、人生を有利に生きていく事が可能です。
つまり、情報を得ることは、自衛の手段でもあるのです。
読書を情報を増やすための手段だととらえれば、今までとは違った取り組み方ができるかもしれません。

読みたければ読めばいい。読みたくなかったら無理に読まなくていい。

ここまでいろいろと読書のメリットを書いてきました。
しかし、重要なのは読書を楽しむことです。
「これらのメリットが享受できるから、読書をしよう」と考えるのもいいですが、そのような動機だとなかなか続かないかと思います。

たとえば、私たちは「将来役に立つから勉強した方がいい」と言われて育てられてきました。
しかし、だからと言って一生懸命勉強したでしょうか?
それと同じことです。

大事なのは、役に立つからやるのではなく、楽しいからやるということです。
そのために大事なのは、自分が読んで楽しいと思える本を読むことです。
役に立ちそうだからと、小難しい本を読む必要はありません。
それによって、読書が嫌いになってしまう方が問題です。
だったら、もっと興味のあるファンタジー小説などを楽しく読んだ方が100倍いいでしょう。
難しい本を読むのは、そうした本を読んで読書の楽しみに目覚めてからでも遅くはありません。
まずは、自分が読みたい本を読みましょう。

読書はしないよりはした方が絶対にいいです。
しかし、楽しくないのであれば、それを無理に続ける必要はありません。
嫌々やっても大した成果は得られないですからね。
だったら、自分の好きなことに時間を費やした方がいいです。
それに真剣に取り組んだ方が、得られるものは絶対に多いでしょう。

いろいろと書きましたが、あまり気負わずに本を読んでみるのがいいでしょう
それで面白かったら続ければいいと思います。
楽しく続けているうちに、「そういえば本を読むことによって、こんなに成長できたな」と気づくのが、一番いいと思います。

読書の意味。核家族化、人間関係の収縮が進む現代人こそ、本を読むべき。

読書は大切なことです。
これは、以前から言われていることです。
しかし、現代において読書の重要性はさらに高まっています。

その背景には、核家族化や人間関係の収縮が挙げられます。
核家族化により、接する世代の幅が狭まりました。
かつては、3世代や親戚など多様な人たちと暮らすことがあたり前でした。
しかし、核家族化によって、親と子のみで暮らす家庭が多くなりました。

また、人間関係の収縮も進んでいます。
近所付き合いの希薄化から、隣人の顔も名前もわからない。
知り合いは職場の人間のみ。
このような人が増えています。

とにかく現代人は、接する人の数が少なくなっています。
では、これがどのような問題につながるのでしょうか。

現代人、読書

考え方の柔軟性が失われる

それは、考え方に柔軟性がなくなることです。
同じような立場の人、同じような世代の人とばかり接していると、価値観が固まってしまいます。
その狭い人間関係の中の価値観が、世界の価値観だと勘違いしてしまうのです。

核家族化においては、これは深刻な問題です。
核家族において、子どもは親、とりわけ母親と接する時間がほとんどとなります。
つまり、そのこどもの見ている世界は、全て母親の常識によって定義されてしまうのです。

一人の人間の価値観で世界を見てしまうのは、とても危険なことです。
その見方が間違っていた時、大きな痛手を負います。
そして、それが間違っていたとしても、別の見方を知らないので、どうすることもできません。
今までの価値観で対処できない困難にぶつかった時、どうしようもなくなってしまうのです。

読書が考え方を柔軟にする

このようにならないためには、たくさんの人と接することが重要です。
しかし、現実にはそのような場を見つけることは難しいです。
特に自分と全く異なる考え方をする人などは、探すのが難しいです。

そこで、重要になってくるのが読書です。
本とは、著者の価値観を記したものとも言えます。
つまり、その価値観を知れば知るほど、様々な考え方ができるようになります。
読書すればするほど、考え方に幅が生まれるのです。

読書であれば、簡単に行うことができます。
本を買ってよめばいいだけですからね。
少しの時間とお金さえあれば、一人で気軽に行えます。
それに図書館を利用すれば、そもそもお金は必要ないかもしれません。

人と接することの、完全な代替となるわけではないですが、現代におけるコミュニケーションの不足を補う手段としては、読書は十分な効果を発揮します。
自分の狭い世界を壊すために、まずは本を読んでみてはどうでしょうか。

本を読む本 (講談社学術文庫)

読書の極意。「読んでから考えるのではなく、考えるために読む」

本は何のために読むのか?
これは人によってさまざまでしょう。
何かを学ぶため。
ただ単に楽しむため。
よりよく生きていくため。

別にこれといった正解は存在しないかと思います。
しかし、せっかく時間を割いて本を読むのであれば、意味のある時間にしたいです。
そのためには、読むだけでなく、それについて考えることが重要なのです。

読書の極意

人生で一番役に立つものとは何でしょうか?
それは、自分が確信を得たことです。
ある事象について、「絶対にこうである」と自信をもって言えること。
それが、確信です。
そういった確信が多ければ多いほど、私たちは自信を持って生きていく事ができます。

そして、そのような確信は、自分の頭で考えることによってはじめて手に入るものです。
与えられた情報をただ受け入れるだけでは、それらは絶対に得られないのです。

考えてもみてください。
自分が見たことも経験したこともないものを、知識として与えられて、それに絶対の自信を持てますか?
自分の大切なものがかかっているときに、それにすべてを委ねることができるでしょうか?
重要な局面で最も必要になるのは、自信です。
与えられたものをただ受け取るだけでは、そういった局面を乗り切ることはできないのです。

では、どうすればそういったものを得られるのか?
そのために必要なのが読書、そしてそこから得られたことについて考えることです。
読み終えて、その場で考えるだけでも効果はありますが、できれば長期にわたって考えることが望ましいです。
そうすることで、さまざまな経験を経て、いろいろな角度からものを見れるようになります。
その時は気づかなかった重要なことに気づくこともできるのです。

読書の効果を高めるためには、読んだことについて考えることが必要です。
そうすることで、自分の中に確信めいたものが生まれます。
その確信は、自信を生み出します。
そして、自信は人生の問題に立ち向かうわたしたちを大いに鼓舞してくれます。
よく読み、よく考えることが重要なのです。

つまり、読書の効果を最大限に高めるためには、読書自体を目的とするのではなく、考えることを目的とするのです。
読んでから考えるのではなく、考えるために読む。
この境地に達することができれば、読書からたくさんのものを得ることができるでしょう。

読書について (光文社古典新訳文庫)