b00k.jp ~積み上げ式読書ノート~
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最終更新日:2017/10/02

人を育てる方法

人を育てる方法と言うのは重要なスキルであり、かつ誰にでも要求されるスキルである。
部下を育てることはもちろんだし、家族をそだてることも必要。
場合によっては自分と対等である、友人や同僚をそだてる必要もあるかもしれない。
そして、人を育てるというのは、AIにはできにない、人間にしかできない仕事である。
人を扱うということは、感情を扱うことと等しい。
感情が理解できない機械にそれを行うのは、少なくとも現時点では難しい。
(ただし学校の教師がやっているような単純な知識の伝達は、今後AIに置き換わっていく可能性が高い。感情を扱わないので。)

誰にでも必要であり、AIでの代替が難しいという点から、人をそだてるスキルは今後重要性を増していく。
そこで、今回は人を育てるコツを考えていく。

信頼関係を築く

人を育てるにあたって一番重要なのが信頼関係である。
信頼関係とは、「この人は自分に価値を認めている」と思ってもらえることである。
こうした関係が無いと、何を言っても届かないので、育てるどころの話ではなくなる。
では、どうすれば信頼関係を築くことができるのか。
そのコツを考えていく。

ただし、このあたりの話はこの本に書かれていることの簡略版に過ぎない。
深い部分を知りたいのであれば原著にあたった方が良いだろう。


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相手の価値を認めていることを理解してもらう

まずは自分が相手を尊重している、価値を認めているということをわかってもらおう。
この人は私と真剣に向き合ってくれているという風に思ってもらうのである。
そうすることで、この人の発言は耳を傾ける価値がある、と思ってもらうことになる。
「この人は自分のことを考えてくれている→この人の言うことは自分にとってメリットとなる可能性が高い」という理論である。

そのためには、相手のために時間を使おう
いくら思っていてもそれが行動に移されなければ意味が無い。
具体的には、相手のために時間を取って話し合いの場を設ける、食事に誘う、キャリアについてアドバイスをするなどする。
実際に時間を使うのも重要だが、それよりも大事なのは時間を使っているというアピールをし、理解してもらうことである。
極論、全く時間を使っていなくても、相手が時間を使ってくれていると思ってもらえればいい。

また、行動も重要ではあるが、言葉にして伝えるのも同じくらい重要である。
両方が行われていることが望ましい。
言葉にして伝える場合は、多少言い過ぎくらいがちょうどいい。
それくらいしないと相手には伝わらないものである。

褒める

相手を尊重するというのと被る面もあるが、褒めることも大事である。
褒めるということは、相手のいい点(価値)を認め、それを伝えることである。
そうすることで、相手をしっかりと見ている(見る価値があるというメッセージ)、その長所に価値を置いているというメッセージになる。
つまり、相手を尊重する、大事に思っているという態度につながる。

褒める時には、なるべく表面的でない部分を褒めるのが良い
この表面的と言うのは単純に外見とかのことではない。
わかりやすい特徴と言い換えることもできる。
例えば、目に見えて頭がいいのであれば、それが表面的な特徴と言える。
そうした特徴はすぐにわかってしまうが故に、いろいろな場面で褒められていることが予想される。
従って、そこを褒めたところで今までの大多数の一人と変わらない。
自分を表面的にしか見てくれないというレッテルを貼られてしまう。
そうならないために、一見目立ちにくい長所を探す必要がある

安易な手法として逆張りがある。
これは表面的な特徴と逆の特徴を、それが確認できていないにも関わらず褒めることである。
例えば、容姿が優れているのなら中身の部分、中身が優れているのなら外見を褒めるなど。
相手があまり褒められてこなかったであろう部分、もしくはコンプレックスを持っているであろう部分を褒めるとも言い換えることができる。
しかし、これは非常に安易な方法であり、最終手段である。
長期的な関係を見据えるのなら、このような楽な手段を使うのではなく、しっかりと相手を見る方が良いのは言うまでもない。

従う価値があると思ってもらう

相手への敬意が伝わったら、今度は自分を信頼してもらう必要がある。
これは、自分の発言を聞くことに価値があると相手に思ってもらうためである。

これにはいろいろな方法がある。
自分の価値を理解してもらう
自分の能力を理解してもらう
など
一言で言えば、自分との関係性がその人の人生にメリットをもたらすということを理解してもらうことである。
そのためには、自分が相手よりも何かしら上回っていると認識してもらう必要がある。
経験値やスキル、仕事の内容など。

そうしたことを通じ、「この人ならついていってもいいか」と思わせることが大事。
そのためには自分自身が自分の強みを理解していないといけない
そしてそれを効果的に演出するにはどうしたらいいかということも考える必要がある

また、他にも自信とか熱量とかも必要。
論理的に説明はできないけど、なんとなくついていったら何かありそう、と思わせれば勝ちである。

育成する

信頼関係が築けてはじめて育成の段階にはいる。
とうのも、信頼関係ができていなければ、いうことを聞いてもらえないからだ。
ここでは信頼関係が築けたことを前提に、どのように育成をしていけばいいのかを考えていく。

相手の意思を尊重する

育成するというと、どうしても矯正するというイメージがつく。
しかし、そのアプローチは上手くいかない。
まずは、長所を伸ばすようなアプローチをとるといい。

では、その人の長所とは何か。
それはその人の人となりである。
つまり、その人の意思、こうしたい、こうありたいといった思いである。
それを伸ばし、いい方向に向けていく事が育成の基本方針となる。
自分の望む方向に持っていこうとしてもなかなか上手くはいかない。

では、意思を尊重するとは具体的にどんなことか。
まず考えられるのは、行動したこと、挑戦したことを褒めてやることだ。
何かアクションを起こすというのは、そこに必ず本人の意思が存在する。
まずは何かアクションを起こそうと思い、それを実際に行動に移したことを評価する。

その際、行動の結果、成否は問わない
そうすることで、行動を起こすというアクションが強化される。
逆に行動の失敗を叱ってしまうと、上手くやるという行動は強化されず、むしろ行動を起こさないということが強化されてしまう。
失敗して叱られるくらいなら、何もしない方がマシだという理論である。
これだけは絶対に避けないといけない。
まずは行動を起こしてもらうように導こう。
具体的なやり方の指導は、それからでも遅くはない。

また、似たようなことだが、相手の行動や失敗を馬鹿にしてはいけない
あなたから見れば考えられないような愚かな行動をするかもしれないが、その行動は本人が本人なりに考えて行った行動だ。
その思考の過程を馬鹿にしてはいけない。
それは彼が愚かだったからでなく、ただ単にやり方を知らなかったり、経験が足りなかったりしただけの話である。
そうした行動を馬鹿にしてしまうと、二度と挑戦しなくなったり、相談してくれなくなったりしてしまう。
それだけ嘲られる、恥をかかされるというのは人間にとって望ましくないものなのである。
心無い一言で信頼関係は簡単に崩れ去ってしまう。
細心の注意を払うとともに、もし失言してしまったら誠意をもって素直に非を詫びよう。

矯正する

行動を起こすことが習慣になったら、いよいよ矯正を行っていく。
この際矯正するのは意思の部分ではなく、具体的なアプローチの方法である。
例えば、本人が将来を見据え競争力をつけるために、ある技術の方面の知識をつけたいと望んでいたとする。
それに対し我々が矯正ていいのは、せいぜいどの技術を学ぶべきかというところまでである。
本人の大局的な目的である、競争力をつけるという部分は矯正の余地が無い。
踏み込んで言えば、将来の競争力を高めるという行動の裏には、安定を得たいなどのもっと大きな目的があるはずである。
そのより大きな目的に合致するのであれば、その手段の変更に対しては関与してもよい。
大事なのは、本人の意思を尊重することである。

話がそれたが、基本的に我々が干渉していいのは、具体的な手法の部分である。
上の例であれば、どうやって勉強していくかとか、教材は何を使えばいいかと言った部分である。
その際に大事なのが、答えを与えるのではなく、考え方を与えてやることである。
答えと言うのは、ある状況に対し固定的なものであり、応用が利かない。
状況が変われば答えも変わる。
そうなればその時与えた答えは役に立たない。
大事なのは、なぜその状況においてその答えに至ったのかというロジックである。
それを教えてやらないといけない。

教えてやった考え方が実践できていれば、その時は必ずそれを褒めてやることが重要。
褒めるというのは、教えたことが実践できているというフィードバックに過ぎないので、そのことが理解できれば手段は問わない。
面と向かってほめてもいいし、何かご褒美を与えてもいい。
重要なのは、教えたことが上手く実践できていることを知らせてやることである。
そうすればどんどんその行動は強化されていく。
自然と教えたようなやり方でものごとを進めることができるようになる。
このあたりの話は、行動分析学などが詳しい。

・さわりを学びたい人用

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由

・本格的に学びたい人用

行動分析学入門

また、矯正には時間がかかる。
1ケ月やそこらで変わるものではない。
計画を立てて、無理のないペースで少しずつ進めていこう。

相手の核は矯正しない(できない)

人間には誰しもその人の核となる部分がある。
その人をその人足らしめている部分である。
そうした部分はある状況においては欠点に見えてしまい、矯正しようとしがちである。

たとえば、消極的と言うのは味方によっては思慮深いともいえる。
状況によって強みになったり、弱みになったりする。
そういったものを強制しようとはしない。
なぜなら、それは矯正できないからである。
一見矯正できているように見えても、本人が強制的に抑え込んでいるだけに過ぎない。
そのような状態で高いパフォーマンスを発揮することはできない。
それよりはその人の核の部分を伸ばした方が良いことは間違いない。


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常に忘れてはいけないこと

時間が経つと初心を忘れてしまう。
ここでは育成のどの段階においても決して忘れてはいけないことを書いておく。

相手への尊敬を常に伝え続ける

相手を尊敬していること、価値を置いていることは常に伝え続けよう。
思っているだけ、伝わっているだろうという態度はいけない。
きちんと言葉であったり、態度なりで示そう。
伝わっているはずという思い込みは捨てることが大事。
そういう場合は伝わっていないことがほとんどである。
自分が思うよりも大げさに伝えよう。
気持ちと言うのは大げさに表現しないと意外と相手には伝わらない。

また、どのような表現方法がいいのかは相手をよく観察することが大事
面と向かって言ってもらった方が良いという人もいるし、ちょっと婉曲気味に言ってもらった方が素直に受け止められるという人もいる。
そこは相手に対して臨機応変に変えていく柔軟性が必要になってくる。

話を聞いてあげよう

相手が一人立ちしても対話の時間はしっかり設けよう
話を聞くというのは、敬意を伝えることにつながるからである。
相手の発言に価値があると認めていることになるし、それを聞くために時間を割くことをいとわないという誠意を見せることにもつながる。

色々と理由を書いたが、そもそも対話はコミュニケーションの基本である。
いくら気心が知れていても、長くそれが欠けてしまえば信頼関係はもろくなっていく。
定期的に対話の時間を設けることは絶対に忘れないようにしよう。

感謝を忘れない

相手が成長してくると、こちらの期待に応えてくるようになる。
そして、それがつづくといつしかそれが当たり前になってしまう。
そうなると感謝を忘れてしまう。
あなたは当たり前と思っているかもしれないが、それをするために相手は時間と労力を使っているのである。
それに対するねぎらいの言葉を忘れてはいけない。
常に相手への感謝を言葉と態度を持って伝え続けよう。
さもなければ今まで築き上げてきたものが一瞬で崩れ去ってしまう。

人を育てるのは巡り巡ってあなたのためになる

人は最も投資対効果の高い資産である。
機械やソフトウェアに比べ、耐用期間は非常に長い。
それに、ある程度教育したら、後は勝手に自分の価値を高めてくれる。
手はかかるかもしれないが、期待を越える大きな成果を生み出してくれるかもしれない。
そして、いつしかあなたを越えてくるかもしれない。
最初の手ほどきさえ丁寧に行ってやれば、それ以上の莫大な価値を提供してくれるのである。
そうなるためにも誠意をもって人と向き合おう。

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人生について真剣に考えてみましょう


「生きる」を考える

「なぜ自分は生きているのか?」
そのように思うことはないでしょうか。

ただ生まれてきて、生まれてきたからなんとなく生きている。
そのような生き方をしていると、生きていることに意味を感じません。
そして、それは「なぜ生きているのか」という、言いようのない不安感に変わります。

こうした不安感を払拭するためには、「なぜ生きるのか」ということに対し、真剣に向き合う必要があります。
自分は何を望んでいるのか。
何を大切にしていきたいのか。
社会や他人からいいように思われたいだけなのではないか。

こうした様々なことに思いを巡らせることで、はじめて自分の人生に確信を持てます。
「自分はこう生きればいいのだ」という確信です。
本書が、そのきっかけとなれば幸いです。

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