日々の仕事をコンテンツ化し、収入にレバレッジをかける
今の仕事を遂行する能力を高めても、全体の生産性を高めることはできない。
結局労働量と生産量が比例関係にあるので、生産量を高めたければ労働量を高めるしかない。
つまり、時間級である。
この構造の労働から何とか脱却しないといけない。
SIerでやっていくとして、この構造から脱却することは可能なのか。
末端の作業員としてやっている以上は不可能。
現実のものを作る仕事はそれだけの時間を費やさないといけない。
また、厄介なのがその製造物に汎用性がなく、また権利も顧客のものであること。
そのため労働の成果の再利用ができない。
これを繰り返していると、仕事のたびにゼロから積み上げていかないので、今までの経験が積みあがっていかない。
そうなるとレバレッジが利かず、どれだけ一生懸命取り組んでも大幅に給料が上がることはない。
汎用的であり、他に容易に流用できるような成果を積み上げていかないといけない。
何らかの商品を作り出していかないといけない。
商品というのは別に何か具体的な形や質量があるものでなくてもいい。
自分の経験や能力をパッケージ化し、汎用的、柔軟に転用可能な形で切り出すというアプローチでもいい。
また、その商品は再販売、複製が可能かつ排他的でないものがいい。
例えば、プログラマーというのは汎用性の高い仕事と言える。
自分をシステム開発組織の歯車として売り込むことができる。
しかし、それは排他的である。
一つの現場に入ってしまうと、その期間は他の現場での仕事はできない。
自分の労働時間(提供価値)を一つの顧客にしか販売できないということである。
プログラマーの場合、自分という商品は再販売可能であるが、複製はできず、一組織に排他的に独占されてしまう。
この状態だと、働き口がなくなる心配がなくなる、というだけで労働にレバレッジを利かせることはできていない。
もちろん、それだけでもかなり優位な立場であることは間違いないが。
ポイントは、複製が可能であり、排他的に独占されないこと。
例えば、何らかの汎用アプリケーションを作ったとする。
それは費用ゼロで複製可能である。(コピーすればいいだけ)
また、複数の顧客に同時に売ることができる。
1つ売れたからといって次の客に売れなくなることはない。
同時に100人にでも1000人にでも販売することが可能。
そしてそれにかかるコストはほぼゼロで済む。
こう考えると、自分の資産(能力、経験)などを何らかの形でデータ化し、販売するのがもっとも効率のいい働き方だと言える。
これは言うのは簡単だが、実際は難しい。
自分の資産を見つけるのも難しいし、見つけたとしてもそれをデータ化、パッケージ化するのにも非常に時間と根気がいる。
それに作ったとしてもそれに需要があるかはわからない。
また、1つ作ったからと言ってそれで終わりではなく、いくつか作り続けストックしていく必要がある。
また、時が経てば情報も古くなるのでアップデートしたり、時代に合った別の商品を提供していかないといけない。
普段の仕事をこなしながらこうしたことを行っていくのは、かなり大変である。
最も効率がいいのは、自分の仕事と関係する商品を販売すること。
そうすれば、普段の仕事の時間がコンテンツ作成の時間となる。
そのためにはコンテンツ化するという前提で仕事をしていく必要がある。
仕事が終わってから、何かコンテンツ化できるものがないか、と探してもなかなか出てこない。
常に前の前の仕事がコンテンツ化できないかを考えながら取り組んだ方が、いいネタが集まる。