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よりよく生きていくためには孤独が必要

孤独というとどうもネガティブなイメージを抱く。
孤独は悪いこと、誰かと一緒にいることが言いこと。
そんなイメージを抱くのではないだろうか。
孤独な時間は人間にとって絶対不可欠な時間である。
なぜなら孤独というのは、自分と客観的に向き合うことができる時間だからである。

人間は何かに夢中になっている時、考えることをしない。
夢中というのは、決していいものだけではない。
仕事や雑務なども含む。
忙殺されているとも言い換えることができる。
もちろん、「どうやったらうまくいくか」、「失敗しないためにはどうすればいいか」などのように、目の前のことについて考えることは当然ある。
しかし、もっと視座の高い思考、客観的でメタ的な思考をすることはない。

メタ的な思考というとわかりにくいが、簡単に言えば「そもそも」を考えるということである。
そもそも、自分は今何をしているのか
そもそも、なんでこんなことをしているのか
そもそも、なんで今の仕事をしているのか
そもそも、なんで生きているのか
このような、今目の前で起きていることよりも一段階上のレイヤーのものごとを考えることである。

人生をよりよく生きていくためには、このメタ的な思考が重要になってくる。
なぜなら、メタ的な思考=人生の方向性を考えることだからである。
ある仕事に夢中になって、「どうすればうまくいくか」を考えたとする。
それはそれで立派なことだが、ではうまくいった後に何があるのかという視点が欠けている。
何のためにうまくやる必要があるのか、という視点が欠けているともいえる。
そのようなより上位の目的があいまいなまま目の前のことに没頭してしまうと、ふと我に返った時に「何をしているのだろう」と思ってしまう。
そうならないためには、そもそもなぜそれをしているのかというメタ的な思考が必要になってくる。
もしかしたら、やる必要はないかもしれない、もっと他にやるべきことがあるかもしれない、といったようにより良い選択肢に気づくことができる。

このような一つ上のレイヤーでものごとを考えるには、一人の時間が必要になる。
ふと一人になったときに、自分の人生について考え、急に不安になる。
このような経験がある人もいるかと思う。
そのような不安に駆られると、それを打ち消すために孤独から逃れようとする。
誰かとあったり、仕事に打ち込んだりして、忙しくする。
考える暇を与えないようにするのである。

しかし、これは非常にもったいない。
不安に駆られるのは決して悪いことではない。
そもそも不安を覚えるというのは、今のままでは間違った方向に行く可能性が高いということである。
そうであれば、その不安を無視するのではなく、向き合うべきなのである。
向きあって、なぜ自分は不安を感じるのかを明確にする。
そうすることで自分が本当はどの方向を目指せばいいのかが見えてくる。

必要以上に孤独を恐れない。
孤独になったからと言って別に死ぬわけではない。
それよりも、メタ的な視点を欠き、無意識的に生きていく方がどん詰まりになってどうにもならなくなる危険性がある。


孤独論 逃げよ、生きよ

カテゴリー: 生き方
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