b00k.jp ~積み上げ式読書ノート~
公開日:
最終更新日:2017/08/24

死を目の前にした人間に対し何ができるか

死を目の前にした人間に何ができるか
死を目の前にした人間に対し、私たちは何ができるだろうか。
その人に対し、何か意味のある言葉を投げかけることができるだろうか。

死ぬときに最も後悔するのは、何だろうか。
恐らく、自分の人生に意味を見いだせない事ではないかと思う。

何も成果を出せなかった。
自分の心に背いて生きてしまった。
もっと家族を大事にすればよかった。
これらのよく聞く後悔は、自分の人生に意味を見いだせなかったということに集約できる。
もっとこうすれば、自分の人生に意味を見いだせたのではないか、という後悔なのである。

だから、死を目の前にした人間に対しできるのは、その人の人生を肯定的に受け止め、意味を認めることではないだろうか。
そうすることで、程度の差はあれ、自分の人生に意味を与えることができるのではないだろうか。

では、そのためにどうすればいいか。
客観的に見てそれを評価するというのは、心に響かない。
さらに、それはその人に対し失礼に値するように思える。
その人が必死に生きた人生を、第三者からの目線で評価するというのは、あまりにも驕っている。

その人の人生が、自分にとってどんな意味があったのか、という目線で語るのが、一番相手を尊重しているし、心に通じる。
一人の人間として、相手の人生に対する思いを本音で語るのである。
そうすれば、それはどんなに考えた筋の取った言葉よりも、その人の心に届く。
人生の意味を肯定してくれるものになると思う。

では、どうすれば自分の人生におけるその人の人生の意味を考えることができるのか。
そのためには、自分の中に生きているその人を探せばよい。

どんなに辛くてもあきらめないのは、あなたの教えがあったから。
人に対し、思いやりを持って接することができたのは、あなたが私にそうしてくれたから。
現実を生きてこれたのは、そうするやり方をあなたが教えてくれたから。

こうした自分の中に生きるその人を探し出し、それを伝えてあげることができれば、その言葉は何よりもその人の人生を肯定するのではないか。

カテゴリー: 生き方
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