正解のない時代には主体的に生きるという姿勢が大事
名だたる大企業の経営悪化や大量リストラ。
未曽有の不景気。
深刻な少子高齢化。
これからの時代は今までにはなかった問題がどんどん出てきます。
全く先の読めない、不確実な時代の到来です。
不確実な時代には、正解が存在しません。
今まで正解とされてきた生き方が通用しないのです。
このような不確実な時代に必要となるのは、「主体的に生きる」という姿勢です。
そうした姿勢がなければ、ただ時代に振り回されるだけの虚しい人生を送ることになるでしょう。
目次
不確実な時代に必要なのは、主体的に生きるという姿勢
これからは先の予想が難しい、不確実な時代がやってきます。
今までのやり方が全く通用しない時代です。
たとえば、終身雇用を前提とした人生設計は今後通用しなくなるでしょう。
キャリアの途中でその会社が潰れてしまう可能性は、以前に比べ格段に高まりました。
ビジネス環境の変化は著しいです。
そうした変化に追いつけず、潰れていく企業は今後増えていくでしょう。
もちろん、私やあなたの会社も例外ではありません。
また、年金支給の引き上げなどにより、単純に働く期間が増えました。
それによっても、環境の変化を余儀なくされる可能性は高まります。
そうなったら、勤め先を変えないといけません。
これまでの正攻法が全く通用しない時代。
このような時代に必要なのは、生き方を自分で考えることです。
自分で人生のコンセプトを決め、それを実現するために主体的に人生を選び取っていく事が大事なのです。
不確実な時代だからこそ、確実な何かが必要です。
それが、「自分はこう生きたい」という確固たる指針なのです。
それが無いと、なんとなく時代に翻弄されて生きていくだけになってしまいます。
先が見えないからこそ、自分の中に揺るぎないものを持っていないといけないのです。
主体的に生きる方法
これからの時代には主体的に生きることが必要です。
では、実際にそのように生きていくためにはどうすればいいのでしょうか。
そのために重要なのが、何かにすがるという態度をやめるということです。
私たちは、多かれ少なかれ、何かにすがって生きています。
何かに盲従していると言い換えてもいいでしょう。
たとえば、
会社に所属していれば安心
世間の風潮を無条件に受け入れる
周りのアドバイスに従う
…
挙げればきりがありませんが、私たちはとにかく何かにすがりながら生きています。
そのような他人任せな生き方を辞めることが必要です。
何かにすがっていると、自分で考えなくなってしまいます。
会社に勤めていれば安心、と思っていれば、会社に居続けること以外は考えないですよね。
会社があるうちはいいですが、潰れたときが大変です。
その時のことを考えていないから、ただ慌てふためくしかないのです。
ただ会社にいることだけを考えていたから、社会で通用するスキルもこれといってない。
だから、次の会社を見つけるのは大変でしょう。
仮に見つかっても、条件は確実に悪くなるでしょう。
景気の良し悪しなどの環境要因によって、自分の人生のクオリティが決まってしまう。
これが、人生を振り回されてしまうということの意味です。
このような人生は虚しいですよね。
だからこそ、自分自身で人生を選択するという姿勢が必要なのです。
そうすれば、主体的に生きていくことができます。
なぜ私たちは何かに依存してしまうのか
私たちが主体的に人生を生きることができないのは、何かに依存しているからです。
だから自分のこととして、責任を持って人生を生きることができないのです。
それでは、一体どうすれば主体的に人生を生きることができるのでしょうか。
それを見る前に、一度なぜ私たちが主体的に生きられないのかを考えてみましょう。
私たちが主体的に生きられないのは、何かに依存しているからです。
では、なぜ依存してしまうのか。
それは、私たちの無意識下に「誰かが何とかしてくれる」という甘えがあるからです。
たとえば、会社に所属していれば安心と言うのは、典型的な甘えです。
会社があなたをクビにすることだって、会社が潰れてしまうことだって、あり得る話です。
そうした時、会社はあなたの生活の保障はしてくれません。
自分で何とかするしかないのです。
しかし、そうしたことを考えず、なんとなく会社に勤めていれば安心だと錯覚してしまう。
これは甘え以外の何物ではありません。
別の言い方をすれば、見通しが甘いとも言えます。
そうした甘さが私たちを依存させ、自立した思考や行動を阻むのです。
「自分で何とかする」と言うのは、当たり前の感覚です。
あなたの人生なのだから、あなたが自分の責任で生きていかないといけないのです。
しかし、従来の学校教育や終身雇用、諸外国から保護された経済状況など、過保護な環境によってその感覚が鈍ってしまっているのです。
まずは、この感覚を取り戻すこと。
自分の人生は自分が責任を持って作っていかないといけないということ。
それを理解することが一番重要なのです。
そうすれば他人任せに人生を歩むこともなくなるでしょう。
そして、これからはそうした意識のある人間だけが生き延びることできるでしょう。
いつまでも何かに依存している人間は確実に淘汰されていきます。
そうならないためには、何かへの依存をやめることです。
では、一体どうすればそれをやめることができるのでしょうか。
自分が何に依存しているかを知る
依存をやめるためには、そもそも自分が何に依存しているのかを知る必要があります。
では、どうすればそれを知ることができるのでしょうか。
依存というのは、もっと具体的に言えば、自分の生活を支えているものです。
それが無くなったら生活がままならなくなるもの。
それが、自分が依存しているものなのです。
多くの人は仕事、特に会社がそれに当たるのではないでしょうか。
会社を経営していれば、特定の業種や販売方法など、大きな売上をあげているもの。
自営業であれば、特定の顧客と言えるでしょう。
依存からの脱却の方法を考える
自分が依存しているものが理解できたら、今度はそれから脱却するための方法を考えましょう。
ここで一つ注意しておきたいが、脱却という言葉の意味です。
脱却というと、完全に足を洗うというようなイメージがありますが、そうではありません。
大事なのは、それ一つしか生活の支えが無いという状態を無くすことです。
つまり、複数の支えをつくれば、依存から脱却する事ができるのです。
たとえば、
会社員をするかたわら、サイドビジネスでも収益を上げている。
実店舗販売だけでなく、ECでも売上を上げている。
一つの取引先に依らず、複数の顧客を抱えている。
このような状態を作り出せばいいのです。
そのためには、本業以外に自分が稼げるものを作る必要があります。
そうしたものを作ることによって、仮に本業がダメになった時に、リスクヘッジが利くのです。
今は、不確実な時代であり、自分が依存しているものがいつダメになるかわかりません。
だからこそ、1つのものに依らずに生きていくことが大事になってきます。
そのためには、自力で稼げるようにならないといけません。
そしてできるなら、それをやっていくうちに稼げる量が増えていくものがいいです。
ですから、アルバイトなどはお勧めしません。
どれだけやっても時給が増えないからですね。
なぜ、時給が増えないのか。
それは、高度なスキルが身につかないからです。
たとえば、コンビニのアルバイトを例に考えてみましょう。
コンビニのアルバイトは、その業務が多岐にわたるとは言え、一つ一つは単純作業です。
レジ打ち
接客
清掃
品出し
検品
洗い物
揚げ物やおでんなどの補充
レジ締め作業
公共料金などの支払い
…
何回かやればだれでもできる作業です。
同時に、たくさんやったからと言って、高度なことができるようにはなりません。
それは、顧客に対する付加価値が増えないからです。
どんなに揚げ物を早く上げて、きれいに並べられるようになっても、顧客にとっての価値は上がりませんよね。
揚げ物は、しょせん揚げ物です。
顧客への付加価値が増えないということは、売り上げも利益も増えない。
売り上げも利益も増えなければ、自分のもらえる額も増えないのです。
ですから、この手の仕事に打ち込んでも、あまり意味がありません。
だったら、やるたびにスキルが身につくような仕事をするべきです。
やればやるほど、顧客に対して提供できる価値が増えていくものを追求していくべきなのです。
その方法を実践し続ける
依存から脱却するには、
・自分が何に依存しているか知る
・それ以外の収入源を作る
ことが大事でした。
そして、それはやるたびにスキルが磨かれていくようなものが望ましいです。
自分が突き詰めたいものが決まったら、それをひたすら突き詰めていきましょう。
最初はなかなか成果が出ないかもしれません。
しかし、あきらめずにコツコツ続けることが大事です。
1年、2年とやっていくうちに、少しずつ成果が見え始めてきます。
大事なのは、やり続けることです。
やり続けていれば、絶対に成果が出てくるからです。
では、どうすればやり続けることができるのでしょうか。
やり続ける上での最大の障壁が、モチベーションの低下です。
モチベーションは成果が出ないとどんどん下がっていきます。
そして、厄介なことに最初は成果が出ません。
だから、ものごとのスタート直後というのは、モチベーションが下がりやすく、挫折しやすい時期なのです。
ですが裏を返せば、この時期を乗り越えることができれば、ものごとは続くのです。
だから、この時期をいかに挫折なく過ごすかが重要になってきます。
そのために重要なのが、頑張りすぎないことです。
最初というのは、どうしても頑張りすぎてしまいます。
やり始めでモチベーションも高く、早く成果を出したいという強い気持ちがあるからです。
しかし、先ほども述べたように、最初というのは全く成果が出ません。
その時期に頑張りすぎてしまうと、
「やっぱりやっても無駄なんだ…」
「自分には才能がないんだ…」
などと考えてしまい、挫折につながりやすくなるのです。
ですから、最初は意識して頑張らないようにしましょう。
「まだできる」というところでやめておくのです。
どうせ、たくさんやっても最初は成果が出ないのです。
だったら、思いつめないくらいに気楽につづけたほうが長続きします。
最初は頑張りすぎないこと。
ものごとを続ける上では、これが何よりも重要です。
ですから、あまり根を詰めずにやっていきましょう。
ものごとを長く続けるコツは、以下の記事に詳しく記載していますので、興味があれば合わせてお読みください。
■参考:マイペースでも、亀の歩みでも構わない。努力は続けることに意味がある。
主体的に生きるためには、自分を知ることも大事
主体的に生きるには、自分を知ることも大事です。
自分はどう思っているのか。
自分は何を楽しいと感じるのか。
自分はどのような人生を歩んでいきたいのか。
そういったことを理解しないと、進むべき方向も見えてきません。
進むべき方向が見えないのに、主体的に生きていく事はできません。
何を目指して生きたらいいかわからないですからね。
そうした方向を見極めるためにも、自分のことをよく理解することが大事なのです。
人間は意外と自分のことがわかっていません。
どう生きたいか、と聞かれてすぐに明確な答えが出せるでしょうか。
ほとんどの人は出せないかと思います。
それほど自分のことを理解するというのは難しいことなのです。
では、どうすれば私たちは自分のことを理解することができるのでしょうか。
具体的な方法を見ていきましょう。
自分の考えを言葉にする
自分のことを理解するために有効な方法があります。
それが、自分の考えを言葉にすることです。
日々の生活の中で、「どのように思ったか、なぜそう思うのか」といったことを言葉にするのです。
さらに、その理由のなぜを深堀していって、どんどん分析すれば、自分のことをより理解できるようになります。
たとえば、自分がどんな仕事をしていきたいのかを考えてみます。
一番簡単なのは、今の仕事に満足しているのかどうかを考えるといいでしょう。
恐らく、多くの人は満足いっていないかと思われます。
次に、ではなぜ不満があるのかを考えていきます。
給料が低いから?
労働時間が長いから?
仕事のレベルが低いから?
将来性がないから?
そうしたら、さらにその理由を掘り下げていきます。
どうして、給料が低いのが不満なのか?
給料が上がれば、今の仕事でも満足なのか?
給料が上がって、それで何をしたいのか?
その不満を解消させるには、給料を上げるしかないのか?
などといった具合です。
一回考えただけでは、結論が出ないかもしれません。
しかし、こうしたことが習慣化され、積み重なっていけば徐々に自分という人間が見えてきます。
そうすれば自分がどう生きたいのか、ということも明確になっていきます。
主体的に生きるために、自分の考えを文字に起こしてみるというのを習慣にすることが大事です。
読書をする
自分のことを理解するには、他人のことを理解することが有効です。
他人との比較によって、自分が見えてくるのです。
情熱的な人がいるから、自分が冷静だとわかる。
挑戦的な人がいるから、自分が堅実な人間だとわかる。
直観的な人がいるから、自分が論理的だとわかる。
このように人というのは、他人との比較によって自分を定義していく側面があるのです。
では、なぜ人を知るのに、読書をするのが有効なのか。
なぜなら、本もまた人が書いたものだからです。
本というのは、いわば著者の意見や人生観を記したものです。
その人の価値観がそのままにじみ出ているものなのです。
つまり、本を読むというのは、著者という他人を知ることと等しいのです。
この時のポイントは、その本が自分に合うか合わないかを考えるといいです。
言っていることに共感できたり、すらすらと読めたりしたら、その本は自分に合っていると言えます。
逆に、引っかかることや腑に落ちないことが多いのであれば、その本はあなたには合わないでしょう。
合っているかどうかがわかったら、次はなぜあっていないのかを考えていきましょう。
どういったところに共感できたか。
逆にどういったところが腑に落ちなかったか。
そう言ったところを分析することで、自分がどういった人間なのかということが見えてきます。
数冊読んだだけでは、なかなかわかりにくいかもしれません。
サンプル数が少なすぎると、その共通項が見つけにくいのですね。
ですから、何冊か本を読んで、よかったところ、悪かったところを控えておくといいです。
後からそれを見返すことで、その共通点が見えてきます。
そうした分析を繰り返すことによって、自分という人間が理解できます。
とにかくやってみる
とにかくやってみる。
これも自分を知る上では大事なことです。
あなたも自分はこれが得意、これが苦手というものがあるかもしれません。
しかし、それは自分の狭い経験の中に基づいた判断に過ぎません。
環境が変われば、自分の新たな一面に気づくというのはよくあることでよね。
たとえば、前職でずっと事務作業を行っていたとしましょう。
他人と対面する機会はあまりなく、一人で黙々と作業をこなすタイプの仕事でした。
しかし、転職によって環境が大きく変わりました。
一人だけで仕事が完結するということはなく、自部署や他部署の人と調整することも多くなりました。
時には、社外の人やお客さんにも説明する機会が増えました。
最初は、慣れないことで大変でしたが、やっていくうちに人と仕事をする楽しさに目覚めてきました。
「自分は人と仕事をするのが好きなんだ」という新たな一面に気づくことができたのです。
このように、やってみることではじめて知るということもあります。
むしろ、やってみないとわからないものなのです。
ですから、とにかく気になったらやってみましょう。
合わなかったらすぐにやめればいいだけの話です。
とにかくやってみるために重要なのが、考えすぎないことです。
たとえば、転職する際も考えすぎると足が止まってしまいます。
「給料は大丈夫なのか?」
「会社の財政状況は大丈夫か?」
「長時間残業などないか?」
このように考え出したらきりがありません。
もちろん準備や調査をすることは大事ですが、それをしたからと言って100%安全というわけでもないのです。
考え出すと、どうしてもネガティブな方向にものごとを考えがちです。
ですから、そうした感情が出て億劫になる前に、とにかくやってしまうことも大事です。
主体的に生きる方法 – まとめ
ここまで主体的に生きるための方法を見てきました。
長くなりましたので、一回ここで今までの内容をまとめてみましょう。
主体的に生きるためには、まず依存から脱却することが重要です。
依存とは、自分の生活を一つのものだけに頼っているということです。
依存から脱却するためには、以下の3ステップが必要になります。
①自分が何に依存しているかを知る
②依存からの脱却方法を考える
③その方法を実践し続ける
また、主体的に生きるには、自分の目指す方向を知ることも大事です。
自分がこう生きたいという指針がないと、なんとなく生きてしまいます。
そうすると、結果的に流されて生きていくことになるのです。
自分を知るためには、以下の方法を実践することが有効です。
①自分の考えを言葉にする
②読書をする
③とにかくやってみる
これらの方法は1回やったからと言って効果が出るものではありません。
何回も何回も続けることによって、はじめて効果が表れ始めるのです。
これからの時代は主体的に生きていくことが大事です。
もはや会社も国もあなたの生活を保障してくれません。
自分の人生は自分で切り開いていくしかないのです。
そのためにも、主体的に生きていくための意識を今から養っていくことが重要です。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略