心理的に成長していない人間が人を育てることはできない
小さなほころびに早期に気づくことが、問題を未然に防ぐ。
これは、人間関係、家庭にも共通するものです。
家族における違和感に早期に気づくことが、崩壊を未然に防ぐために有効な手段となります。
違和感に気づくためには、人をよく観察する必要があります。
人のことを考えることが必要になってきます。
しかし、人のことを考えるというのは、難しいことです。
そのためには、自分が十分に心理的に成長している必要があるからです。
心理的に成長できていない人は、自分のことを優先的に考えてしまいます。
自己中心的、わがまま、身勝手。
そのような印象を与えることもあります。
そのような人間に他人を考える余裕はありません。
では、どうして心理的に成長できていないのか。
それは、しかるべき時に、欲求を満たしてもらえなかったからです。
子どもの時代に、自分を受け入れてもらえなかった。
自分のわがままを許してもらえなかった。
そのような経験がないために、いつだって自分が優先になってしまうのです。
いまだ満たされない欲求を、今なお満たそうと、無意識に行動しているのです。
人間関係や家族を守っていくには、互いが互いを思う必要があります。
そのためには、各人が心理的に十分成長していることが必要です。
もし、心理的に成長できていない人間が家庭を築いたらどうなるでしょうか。
その家庭の親は、いまだ自分を優先して考えてしまいます。
子どものことを十分に思うことができません。
その結果、家庭にほころびが生まれ、崩壊してしまう。
そこで育った子供も、当然心理的に成長することはできません。
その子どもがまた家庭を築いたところで、同じように崩壊していきます。
つまり、心理的に成長できていない人間が人を育てることは不可能なのです。
これは家庭だけに限った話ではありません。
親、教師、上司など人の上に立つもの全てに関わることです。
まずは、教える人間、つまり私たちが心理的に成長することが重要です。
人のことを考えられるだけの余裕が必要なのです。
そのような人が増えれば、おのずと社会も生きやすいものとなっていくでしょう。
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