不足している状態が人を成長させる。コンプレックスは成長の大きな原動力となる。
「スタイルが悪い」
「顔がよくない」
「お金がない」
「仕事ができない」
私たちは、必ずと言っていいほど、何らかのコンプレックスを持っています。
そのことを思い出すたびに、憂鬱な気持ちになります。
「どうして、こんな風になってしまったんだろうか」
とやりどころのない憤りを感じます。
たしかに、コンプレックスというのは喜ばしいものではありません。
考えるたびに嫌な気持ちになります。
こんなものなければよかったのにと思うでしょう。
しかし、考え方を変えることで、コンプレックスは私たちの強い味方となるのです。
人が成長するのは、どんなときでしょうか?
それは、必要に迫られたときです。
成長せざるを得ない時に、人は大きく成長するのです。
逆に言えば、自分自身が成長の必要性を感じなければ、どれだけ辛い状況にあろうとも、人は成長しません。
コンプレックスというのは、強い劣等感を呼び起こします。
しかし、その強い劣等感が私たちに「成長しなければならない」と強く訴えかけるのです。
そうすることで、私たちの中に成長しなければならないという自覚が生まれます。
お金がないから、お金を稼ごうと思うのです。
仕事ができないから、仕事ができるようになろうとするのです。
「このまま変わらなければ、一生みじめなままだ」という風に思えるから、奮い立たされるのです。
つまり、コンプレックスというのは、私たちの気持ちを沈めるだけの厄介な存在ではないのです。
付き合い方を変えれば、それは私たちのことを鼓舞してくれる味方となるのです。
逆にコンプレックスの全くない人生を考えてみてください。
全てが満たされていて、何も不足したものがない状態。
では、その状態で一体これ以上何を望むのでしょうか?
現状が満足いくものであれば、これ以上望むものはないはずです。
それは、成長しない事、変化しないことを意味します。
では、これから先、一体何をすればいいのでしょうか。
そんな人生は果たして意味があるのでしょうか。
私たちは、コンプレックスを持つことによって、成長すること、変化することができるわけです。
コンプレックスは、そのための強い必要性を呼び起こしてくれるのです。
コンプレックを目の敵にするのではなく、自分に何を与えてくれるのかを考えましょう。
![]() |