私たちは、安定こそが一番という考えを持っています。
たしかに、安定という響きは非常に魅力的です。
安定的に給料が支給されれば、将来の心配をする必要はありません。
明日も明後日も、1年後も、10年後も…
安定さえしていれば、私たちはずっと今の状態を維持できるのです。
安定はとても魅力的です。
しかし、安定は同時に停滞を意味します。
変化がないという事は、成長しないということです。
たしかに、この安定が続くならば、無理に成長する必要はありません。
今のままでもさしたる問題はないでしょう。
ですが、一生続く安定などこの世に存在するでしょうか?
大企業に勤めていれば安定でしょうか。
お金を持っていれば安泰でしょうか。
この変化の早い時代において、変わらないものなどないということはいやというほど実感しているかと思います。
では、安定に浸かりきってしまって、ある日突然それが無くなったらどうでしょうか?
安定に甘んじていたことにより、自立する力は失われているでしょう。
自発的に考える機会も少なかったので、何をしたらいいのかもわからないでしょう。
何の準備もない状態で荒野に放り出されるようなものです。
そんな状態で生きていく事など、できるわけがありません。
私たちは、普段自分の力で生きてるような気がします。
ですが、結局はより大きなものにおんぶだっこしているに過ぎないのです。
そんな状態では、いつまでたっても足腰は鍛えられません。
もしかしたら、もう自力では立ち上がることもできなくなっているかもしれません。
安定は、私たちを優しく包み込んでくれる一方で、自立する力を奪っていくのです。
そして、それがなくなった時、私たちはもう一人では生きていけないのです。
ですから、今の状態が心地いいというのは危険信号です。
もしかしたら、安定に骨抜きにされているかもしれません。
安定に甘んじず、常に変化を楽しむ。
生きていくうえでは、そんなハングリー精神を忘れてはいけないのです。
何かによりかかった時点で、私たちの力は急速に衰えていくのです。
![]() |