なぜ読書が必要なのか?わたしたちが読書をしなければならない理由
「読書は大事」
このことに関して異論を唱える人は少ないでしょう。
ですが、なぜ読書が大事なのかと聞かれると、はっきり答えられないという方も多いのではないでしょうか?
「大事なのはわかるけど、なぜ大事なのかわからない」から、なかなか読書をしようという気が起こりません。
私もそうでした。
これに関しては、親だったり教師だったりがもっとしっかりと教えるべきだった思うのですが、それを嘆いても仕方ありません。
なので今回は、読書の意味について考えていきます。
少しでも読書に興味を持ってくれる方が増えてくれれば幸いです。
読書は自己を確立する
読書はなぜ必要なのでしょうか?
それは、読書が自己を確立してくれるからです。
ここでいう自己とは、「自分とはこうである」という確信のことです。
本というのは、著者が自分の意見を述べたものです。
著者という人間が、ものごとをどう考えているかということについて書かれているのです。
だから、読書をするというのは、他者の価値観を知るということと同義なのです。
ただし、他者の価値観をそのまま鵜呑みにするのでは意味がありません。
それについて「自分はこう思う」という自分なりの意見を考えることが必要です。
そういった意見が積み重なることで、自分はこうであるという確信、すなわち自己が確立され始めるのです。
自己を確立する手段は読書だけなのか?
読書の意味が、他者の価値観に触れ、自己を確立させることだということがわかりました。
では、自己を確立させる手段とは、読書だけなのでしょうか?
結論からいうと、読書以外にも方法はあります。
ただ、一番効率的なのが読書だということです。
たとえば、自己は現実世界での経験からでも確立することができます。
現実世界での経験について考え、自分なりの意見を持つことで、自己が確立されていきます。
しかし、現実世界では、読書よりも濃い経験が得られる一方で、経験の幅が非常に限定されてしまいます。
自分の住む世界でできることしか経験できないのです。
たとえば、日本に住んでいたらヨーロッパの人がどう考えて生きているのかを知ることは難しいです。
同様に、現代を生きる私たちが、過去の人たちの価値観を知ることは難しいです。
つまり、自己の確立を現実世界からの経験だけに頼ると、非常に幅の狭いものとなってしまうのです。
一方で、読書の経験は、現実世界での経験よりも密度は薄くなるものの、その経験は多岐にわたります。
全く分野の違う人、住む場所の違う人、時代の違う人、そういった人たちの考えや経験を知ることができるのです。
そのような多様な価値観から発見される自己は、現実世界で発見される自己を凌駕します。
より正確に、「自分とはこうである」と認識することができるのです。
なぜ自己を確立することが必要なのか?
ここまで読んで一つ疑問が出てきたかもしれません。
それは、「なぜ自己を確立する必要があるのか?」ということです。
さきほども述べたように、自己とは「自分とはこうである」という確信のことです。
もっと詳しく見てみれば、
「自分はこういうことが好き、こうことに喜びを感じる」とか
「自分はこういうことが嫌い、こうことに苦痛を感じる」といった自分への理解と言えるでしょう。
では、このような自分への理解が不十分な状態で生きていくと、どんな不都合があるでしょうか?
まず、考えられるのが自分が何をしたいのかわからないということです。
自分がなにに喜びを感じ、何が得意なのかがわからない。
そうなれば、当然自分が何をしたいかなんてわからないのです。
何がしたいかわからないというのは、何を目的に生きていいのかわからないということと同じです。
好きなことがわからないのも問題ですが、嫌いなことがわからないのも、また問題です。
たとえば、わたしたちは働かないといけません。
働くためには、どんな仕事をするか決める必要があります。
このとき、自分の苦手なこと、嫌いなことがわからないと、それを職業にしてしまう可能性があります。
こうなったら大変です。
仕事は毎日何時間もしなければならないことです。
つまり、人生の大半を費やすことになります。
もし、人生の大半を自分が嫌で嫌でしょうがないことに費やすと考えたら…?
このように、自分を知るということは、幸せになるため、そして不幸を回避するために必要なのです。
そして、自分を知るためには、現実世界での経験だけでなく、本での経験も重要になってくる。
だから、読書が大事ということになるのです。
今回のまとめ
・読書の意味は、自己を確立すること。
・読書の経験は多岐にわたるので、その中で発見される自己も洗練されたものとなる。
・ただし、読むだけでは意味がない。読んだ内容について自分なりの意見を持つことが大事。
・自己を確立することで、幸福をつかみ、不幸を回避できるようになる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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