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公開日:
最終更新日:2016/06/19

「知らなかった」では済まされない。日米安全保障条約

日本の軍事を取り巻く環境は、急速に変化しています。
今年には、安全保障関連法案が可決されました。
中国はその経済成長とともに、軍備を拡大。
国際情勢に大きな影響力を持つようになっています。
また、将来的にはアメリカの国力が衰退。
現在のような、「世界の警察官」の役割を果たせなくなるとの予測もあります。

このような状況の中、私たちは日本を守るために何をしないといけないのでしょうか?
軍隊を持つべきなのか?
集団的自衛権を認めるべきなのか?
それとも、戦わないことを貫くのか?

これらのことを考えるためには、何よりもまずそのことについて知ることが必要です。
情報もなく、なんとなく感情的に考えた意見は、なんの価値も持たないからです。
今回は、日米安全保障条約についてみていきます。

日米安全保障条約

日米安全保障条約の誕生の経緯

まずは、日米安全保障条約が、なぜ制定されたのかを見ていきましょう。

日米安保保障条約とは、1951年サンフランシスコ条約が締結されていました。
これにより、日本は独立を回復しました。
しかし、それは同時に米軍が日本に駐留する名目を失ったことでもあります。

米軍が日本に駐留できなくなることは、日米双方にデメリットがありました。
当時は、冷戦。
日本から米軍がいなくなることは、日本がソ連や中国、北朝鮮などの社会主義国の脅威にさらされることを意味しました。
日本が、社会主義国になってしまうのは、米国からしたら具合が悪いです。
また、日本からしても、ようやく復興の目途が立ったというのに、混乱を起こされてはたまったものではありません。

日本を社会主義の脅威から守るためには、米軍を日本に駐留させるための仕組みが必要でした
そうして、生み出されたのが、日米安全保障条約なのです。

当時の条約は「不平等条約」だった!?

日本を社会主義の脅威から守るための日米安全保障条約ですが、日本にとって不利な点もありました。
それは、日米安全保障条約が不平等条約だったことです。

具体的には、
・米国の防衛義務が不明確
・日本で内乱が起きた時、米軍が出動できる(内乱条項)
・軍隊を駐留する権利があるが、日本が攻撃されたら必ず守るとは確約していない
などです。

日本に駐留はしているが、日本を守るわけではない。
日本国内で、米国に対して都合の悪い動きが見えたら、米軍を動かすことができる。
つまり、駐留はするけど、日本の役に立つかはわからないということですね。
それゆえに、当時の日米安全保障条約は不平等条約と言われていたのです。

不平等条約の解消

駐留はするけど、役に立つかはわからない。
これでは、米国にいいように利用されているだけです。
これを受け、不平等条約を解消したのが、岸信介です。
岸信介は、ワシントンで新しい安全保障条約を締結しました。
正式名称を、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」と言います。

これにより、以下の条件が変更されました。
・内乱条項が削除
・米国の日本防衛義務が明確化
・米国の行動に関する、領国政府の事前協議の仕組み

日本の危機に対して出動する。
米国の都合だけで動けないように、両国政府の協議の制度を設置。
これにより、不平等条約は解消されたのです。

安保の影

ここまで、安全保障条約の変遷を見てきました。
では、現在の安全保障条約はどのようになっているのでしょうか?

安保締結の頃と比べて、現在の国際情勢は大きく変わっています。
特に中国の急激な成長が顕著です。
これにより、中国は急速に軍備を拡大しています。
そのような中で、安全保障条約は東アジアの防衛線として大きな意味を持っています

このように戦後の国際情勢の中で大きな役割を担ってきた、安全保障条約。
しかし、その裏には沖縄が犠牲になっているという事実があります。
オスプレイによる安全の問題。
駐留米兵による犯罪、治安の問題。
基地周辺の騒音。
様々な問題を抱えています。

米国の庇護下に入るため。
日本の外交を有利にすすめるため。
私たちは、常に沖縄を犠牲にしてきました。
安全保障条約の重要性が今後も高まるであろう中、沖縄を犠牲にし続けていいのか?
しわ寄せを弱い方に流して、表面上とりつくろうだけで、本当にいいのか?
そのことについて、私たちは考える必要があるかもしれません

今回のまとめ

・安全保障条約は、冷戦当時、社会主義から日本を守るためのものだった。
・その実態は不平等なものだったが、岸信介により解消された。
・今後も安全保障条約の重要性は高まっていく。
・その裏には、沖縄が犠牲になっていることを忘れてはならない。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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