やがて来る激動の時代。わたしたちは何をすべきか?
先行きの見えない時代が続いています。
・少子高齢化
・年金などの社会保障問題
・終身雇用の崩壊
…
問題は山積みで、希望のある話がありません。
どこか行き詰ったような、閉塞感を感じないでしょうか?
なぜ、このような時代になってしまったのでしょうか。
それは、今の社会システムが限界を迎えているためです。
もはや、今の現実に即さないものとなってしまっているのです。
では、このまま日本は沈んで行ってしまうのでしょうか?
激動の時代がやってくる
今の先行きの見えない社会は、これから一体どこへ向かっていくのでしょうか?
先行きの見えない原因は、現在の社会システムが限界を迎えているためです。
人口が純増していく事を前提に考えられた年金制度。
経済が成長し続けることを前提に作られた終身雇用制度。
これらの旧来の制度は、作られた当時の前提をもとにしています。
経済が常に成長していくという前提です。
今はこれらの前提がなくなってしまいました。
土台のなくなった建物は、もろくも崩れ去るしかありません。
未来がどうなるか。
それを知るためには、歴史を学ぶことが有効でした。
幕末の維新、戦前から戦後、社会主義政権の崩壊―
歴史を見れば、現行のシステムが限界を迎えた時、同時に新しいシステムが生まれました。
新しいシステムは、新しい価値観を生み出します。
幕府から政府へ、軍人から経済人へ。
古いシステムの破壊、新しいシステムの誕生、価値観の変革。
これからやってくるのは激動の時代です。
価値観の大変革が起こる
歴史から見れば、近い将来、激動の時代がやってきます。
そして、その激動の時代は大きな価値観の変革を伴います。
たとえば、戦時中は軍人がヒーローでした。
ですが、今の時代に自分の子供が軍人になりたいと言ったらどうでしょうか?
これと同じことで、今はよしとされていることが、通用しなくなる時代が来るのです。
今の時代で言えば、AIの発達や自動運転の導入などが考えられるでしょう。
今は、AIや自動運転も実用には耐えないと言われています。
AIは、非常に限定的な用途でしか使えず、とても人間の代わりにはならない。
自動運転も、複雑な要素を考えることはできないので、あくまで人間のアシストが限界。
そうしたことが言われています。
しかし、将来的にはほとんどの雑務はAIが片付けてくれるかもしれません。
自動運転によって人間は全く運転をしなくてよくなるかもしれません。
機械やコンピュータが生まれた時も、それらがここまで社会に浸透すると考えていた人はほとんどいませんでした。
それと同じことなのです。
未来は、自分の想像をはるかに上回るものなのです。
「いい学校に行って、いい企業に就職する。」
それさえ守れば、人生は安泰。
誰もがそう思っていました。
しかし、この常識も通用しない激動の時代が、すぐそこまでやってきているのです。
激動の時代、私たちはどうすればいい?
私たちは、これから一つの社会システムが破壊され、新しい価値が創造される瞬間を目にすることになります。
今までの価値観が全く通用しない、新しい時代です。
このような激動の時代の中、一体なにをしたらいいのでしょうか?
本書はこう述べます。
文明が崩壊する原因は、戦争でも病気でも食糧危機でもない。
それは歴史が大きなターニングポイントに差しかかったときに、「引き継ぐべき価値観」と「捨て去るべき価値観」を見極められたかどうかの違いだというのだ。
今あるもので、「残すべきもの」と「捨てるべきもの」を見極めることが必要なのです。
それらを見誤り、捨てるべきものにしがみつこうとすれば、私たちは大きな痛手を負うでしょう。
たとえば、今は半導体や液晶と言うのは日本の主要産業ではありません。
中国や韓国などの新興国にコスト面で勝てないからです。
その現実を見ずに、それで勝負しようと思ったところは、みな経営的な危機に陥っています。
これは「日本の技術力は世界一」という誤った価値観によるものです。
だから、多少コスト面で負けていても勝てると踏んでしまったのでしょう。
しかし、実際はそうではなかった。
日本の製品が支持されていたのは、単純に安かったからなのです。
その前提が崩れ去ったのに、同じ商品で勝負しても勝てるわけがないのです。
そうして傾いた企業は、たくさんの解雇者を生み出します。
このように誤った価値観にしがみつくことで、現実に則さない判断をしてしまうのです。
では、激動の時代においてそれらを見極めるためには、どうすればいいのか?
やるべきことは2つ。
「今を知ること」と「過去を知ること」です。
今を知る
1つ目は、今を知ることです。
今、私たちの社会はどんな問題を抱えているのか?
そして、それは何が原因で起こったのか?
今の社会システムの構造の欠陥を見抜くのです。
過去を知る
2つ目は、過去を知ること、つまり歴史を学ぶことです。
歴史の動きには必ず原因が存在します。
今の問題の原因を理解できれば、歴史から未来を予測することができます。
未来を予測すれば、おのずと「残すべきもの」と「捨てるべきもの」が見えてくるはずです。
激動の時代の中で、何を大事にしていけばいいのかを知ることができるのです。
何も知らないということは、暗闇の中を手探りで歩いているようなものです。
そんな状態で、激動の時代の中を生き抜くことができるでしょうか?
やがて来る激動の時代に向けて、私たちにできることは、知ることなのです。
今回のまとめ
・現行のシステムが限界を迎えた時、激動の時代が訪れる。
・今までの価値観が通用しない時代がやってくる。
・今を知り、歴史を知ることで、激動の時代を生き抜くことができる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!