自分を客観視するための3つの方法
「もっと客観的にものごとを判断しろ!」
上司にこのように注意された人は、
意外と多いのではないでしょうか。
たしかに、ひとりよがりな判断では
仕事を円滑に進めることはできません。
同僚やお客さん、そうした周りの人のことを考え、
判断することが重要になってきます。
しかし、そうは言っても
実際にやるのは難しいですよね。
ただでさえ目の前の仕事で手いっぱいなのに、
さらに客観的にものごとを見ないといけない。
これはなかなか大変なことです。
でも、
ちょっとのコツで客観視をマスターすることができるとしたら?
今まで上手くいかなかった仕事がスムーズに進むようになるとしたら?
険悪だった上司との関係が上手くいくとしたら?
そこで今回は、
自分を客観視するための3つのコツ
についてみていきます。
目次
客観視とは何か?
客観視をする方法を見る前に、
そもそも客観視とは何なのかを考えてみましょう。
みなさんは客観視と言うとどのようなイメージを持ちますか。
冷静かつ適切な判断が下せる。
俯瞰した視点で物事を見れる。
第三者の視点でものごとを考えられる。
などがあるかと思います。
これらに共通するのは、広い視点で利害関係を見れるということです。
たとえば、何か仕事を任されたとします。
自分も手いっぱいでとてもじゃないが、
その仕事を受けることはできない。
だから、その仕事を断りました。
この考え方は、客観的とは言えないですよね。
なぜなら、自分の都合しか考えていないからです。
一方、自分も大変ではあるが、
他の人たちも余裕がないのはわかっている。
なぜその仕事をすることが必要なのかを聞くと、
どうやら締め切りが今週中らしい。
そして、その仕事は売り上げに関わることで、
最優先に仕上げないといけない。
自分の仕事があるのは確かだが、
それはそこまで優先度は高くない。
それらを判断し、
その仕事を受けることにしました。
この判断は客観的と言えますよね。
なぜなら、自分の都合だけでなく、
会社全体の都合を考えた上で、一番いい判断をしたからです。
つまり、客観視と言うのは
「自分の気持ちや感情からいったん離れてものごとを考えること」と言えそうです。
そうすることによって、自分でなく、
周りの人を含めた全体として一番いい判断ができるのです。
方法1.自分を客観的に見るために、行動や感情を言語化する
客観視とは何かについて理解したところで、
さっそく客観視する方法を見ていきましょう。
まずは、自分の行動や感情を言語化すること
についてです。
自分の行動や感情を言語化することで、
自分の行動や感情を視覚化することができます。
そうすることにより、
自分の思っていることに気づくことができるのです。
例えば、自分が何かを考えているときに、
「私は○○について考えている」と意識したり、
何かをしているときは、
「○○をしている」と自覚するといった感じですね。
このように自分を俯瞰することを、
メタ認知といいます。
これを習慣化することにより、激しい感情が湧いてきた時も
冷静に対応することができます。
感情に飲まれてしまう時というのは、
自分がその感情に飲み込まれていることそのものを認識していないことが多いです。
たとえば、
「自分が怒りにとらわれている時のこと」
を思い出してみてください。
目の前の出来事や相手に激しい怒りを感じています。
「なんでこんなことが起きたんだ!」
「なんでこいつはこんなことをしたんだ!」
といった具合に。
この時、自分の意識は怒りの対象に向かってますよね。
逆に言えば、
怒っている自分自身には意識が向かっていないのです。
怒りが激しければ激しいほど、
この傾向は顕著です。
こうなってしまえば、
あとは怒りに飲まれるだけです。
自分を客観視する余裕はありません。
気付いた時には、
「なぜあんなに怒っていたんだ…」
と自分に失望するばかりです。
ですから、自分が何を考え、感じているのか。
「今、自分がどういう状態なのか」
を意識することが大事なのです。
そして、そのためには
自分の感情を言語化することが必要なのです。
では、どうすれば
自分の感情を言語化できるのでしょうか?
そのためには、
言語化することを習慣化する必要があります。
習慣化というのは、
意識することとは異なります。
考えてみてください。
今まで言語化をしてきたことのない人が、
怒りにとらわれた瞬間にそのことを意識できるでしょうか?
ほぼ無理と言っていいでしょう。
ですから、感情が高ぶっていない時に、
自分の心をみつめ、言語化する必要があるのです。
そうして、自分の心を言語化する習慣をつけるのです。
そのために、有効なのが日記をつけることでしょう。
何を書いても構いませんが、
書くときは自分の感情に注目しましょう。
「ある出来事を目の前にしてどう思ったのか?」
「ある人に何かを言われてどう感じたのか?」
こういったことを繰り返すうちに、
感情を言語化する習慣がつきます。
そうすれば、実際に感情にのみ込まれそうになった時も、
客観的にその状態を見ることができるのです。
日記と言っても、
しっかり書く必要はありません。
要は、自分の感情を言語化する習慣が身につけばいいのです。
だから、毎日書く必要もありません。
それに、日記でなくてもSNSなどでも構いません。
まずは、とにかく書くことが大事です。
そして、書き続ければ、
必ず自分を客観視できるようになります。
方法2.客観的に自分を見るために、身体感覚に集中する
身体感覚に集中することでも、
自分を客観視することができます。
例えば、歩いている場合。
ただ漫然と歩くのではなく、
「その一歩一歩の足の動き」
「地面を蹴る感覚」
に集中するのです。
そうすることによって、
頭が余計なことを考えなくなります。
「今日の晩御飯は何にしようかな」
「昨日やり残した仕事があったな」
などと考える暇がなくなるのです。
余計なことを考えていると、
考えること自体に集中してしまいます。
それにより、
「自分が何を考えているのか」
「今考えていることが大事なことなのか」
などの客観的視点を失ってしまいます。
客観的な視点を失ってしまうと、
どうでもいいことに心を振り回されてしまいます。
「今日はお金がないから、大したものは食べれないないな。
もっと給料が多かったら、こんな目に合わなくていいのに。
そもそもうちの会社は給料が低すぎる。残業代も出ないし…。」
といった具合に。
どんどん余計なことを考えて、
客観的な視点を失ってしまいます。
余計な思考をシャットアウトし、客観的な視点を持つために、
身体感覚に集中することは非常に有効なのです。
では、どうすれば
身体感覚に集中することができるのでしょうか?
これも先ほどの感情の言語化と同様、
習慣化するしかありません。
ただ、こちらは感情の言語化よりは、
習慣化が楽かもしれません。
というのも、やろうと思えばどこでもできるからです。
たとえば、
待ち合わせの時間、
電車を待っている時間、
トイレの最中…
このようなちょっとした空き時間でも実践が可能なのです。
場所も選びません。
また、身体感覚に集中するといっても、
どうすればいいかわからない方もいるかと思います。
その時にオススメなのは、
「呼吸に集中すること」と
「姿勢を正すこと」です。
呼吸は自分の心と密接に関係しています。
気持ちが安定していない時は、
呼吸も安定していないものです。
逆に、呼吸が安定すれば、
心も安定してきます。
気持ちも落ち着き、
自分を客観的に見つめることもできるわけです。
まさに、一石二鳥ですね。
また、姿勢を正すことも有効です。
姿勢を正すためには、
それを意識する必要があります。
そうすることによって、
意識が無駄なことに行かなくなるのです。
おまけに健康にもいいです。
こちらも、一石二鳥ですね。
困ったら、とりあえず
呼吸と姿勢に意識を向けてみましょう!
方法3.自分を客観視するために、思考を分類する
自分の思考を分類することでも、
それらを客観的に見ることができます。
分類する際は以下の3つに分類します。
・貪欲
・怒り
・妄想
それぞれ詳しく見ていきましょう!
貪欲
貪欲とは、
過剰に求めすぎる心のことです。
おいしいものを食べてもっと食べたい、
人から称賛されてもっと称賛されたいと思う、
などです。
このような感情は、自分を見失わせます。
であれば、このような際限のない欲望は
なくした方が良いでしょう。
貪欲にとらわれてしまったら、自分がほしいものではなく、
自分がすでに持っているものに注目してみてください。
そうすることで、
「自分がどれだけのものを持っているのか」
を思い出すことができます。
それにより、逆に自分が過剰に求めすぎていることを
認識することができます。
しかし、自分が持っているものに注目するのは難しいものです。
たとえば、わたしたちは呼吸ができることをありがたく感じることはありません。
それは、
呼吸できること、
周りに空気があふれていること、
それらが当たり前だからです。
それと同じことで、私たちはすでに持っているものに対して、
ありがたみを感じることは難しいのです。
身近な例で言えば、
「失ってはじめてわかる親のありがたみ」などですね。
では、どうすれば
当たり前のものに対して感謝することができるのか?
それは、今あるものが永遠ではないことを理解することです。
さきほどの親もそうですが、
自分が今持っているものは永遠ではありません。
必ず失われる時が来ます。
その時を想像すれば、
ありがたみも自然と湧いてくるものです。
そのためには、
失われる時期を具体的にしてみることがおすすめです。
たとえば、
親だったらあと何年生きているのか?
実際に会えるのは、あと何回か?
といった具合に。
そうすることで、
「自分の持っているものが永遠でないこと」を実感を持って理解できるはずです。
怒り
怒りは、
思い通りにならない現実に対して生じるものです。
怒りは冷静な判断力を失わせてしまいます。
怒りの感情が生じたら、
すぐにそれに気づき、飲み込まれないようすることが大事です。
怒りに気づくためには、先ほども説明したように、
自分の感情に気づくことが大事です。
そのためにも、
自分の心を言語化する習慣を身につけましょう。
関連記事:怒りは何の役にも立たない!腹を立てない6つの方法!
妄想
妄想とは、
現実ではないことに思いを馳せることです。
こうなったらいいなと自分の欲求について考えたり、
未来や過去のことについて思いを馳せたりすることです。
この状態に陥ると、考えることに心が向いてしまい、
自分が何を考えているのかを意識できなくなります。
そうなると、心が漫然とした状態になり、
感情に振り回されやすくなってしまいます。
妄想にとらわれないためには、
現実と妄想の区別をはっきりさせることが重要です。
そのための具体的なトレーニング方法として、
以下のようなものがあります。
「目を閉じ、何かをイメージする。
これは妄想だと意識する。」
「目を開き、目の間の光景を見る。
これは現実だと意識する。」
このように、現実と妄想を意識的に区別することを繰り返すことで、
区別をはっきりさせることができるのです。
あとは、妄想をしても現実は変わらない
ということを意識することも大事ですね。
言われれば当たり前だと思いますが、
実際それを意識して行動できているかと言ったら疑問です。
結局、成果は自分が実際に頑張ったことに対してのみ返ってきます。
どんなに願っても、行動が伴わなければ、
それが手にはいるわけではないのです。
早い話、妄想は時間の無駄というわけですね。
「現実と妄想を区別すること」
「妄想をしても現実は変わらないこと」
この二つをしっかりと理解することで、
妄想にとらわれることを回避しましょう。
今回のまとめ
心を客観視するために
・自分の心や行動を言語化する。そのために日記を書こう。
・身体感覚に意識を向ける。まずは、呼吸と姿勢を意識する。
・心の状態を「貪欲」、「怒り」、「妄想」に分類する。
貪欲に対しては、自分が持っているものに注目する。
怒りに対しては、感情を客観視する習慣を身につける。
妄想に対しては、それが無意味なことであると理解する。
自己客観視トレーニングにおすすめの3冊
客観視ができれば、仕事はもちろん、
人生のあらゆる場面でうまくものごとを進めることができます。
逆に客観視ができない人は、何をするにもひとりよがりになってしまい、
成功することはできないでしょう。
経済的に厳しくなっていく現代において、
自分を客観視できないことは、かなり不利な要素となるでしょう。
ここで紹介した3つのコツの他にも、
客観視をするためにはいろいろなコツがあります。
以下紹介する本にも役立つヒントがありますので、
「客観視を極め、人生を有利に生きていきたいと考える方」
は、是非読んでいただきたいです。
本と言うのは、非常に投資効率のいいものです。
1,000円ちょっとで、
著者の知識や経験をもらうことができるのですからね。
ちょっとした金額をケチることで、これらの知識を手に入れる機会を逃すのは、
個人的にはもったいないことだと思います。
かのデカルトも
「良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。」
と言っています。
つまり、読書はそれだけ効率のいい学びの方法だということですね。
興味のある本があれば、ぜひ読んでみてください。
反応しない練習
本書のいいところは、客観視をする上での
具体的な方法がたくさん紹介されている点です。
本記事でも紹介しましたが、
「現実と妄想を区別する」、
「感情を3つに分類する」など、
すぐに実践可能な方法が紹介されています。
客観視について本で学びたいなら、
まず読むべき1冊言えるでしょう。
Amazonでもベストセラーとなっています。
人生が変わる呼吸の教科書
こちらは呼吸に関する本です。
本書のみどころは、
「1日1分から実践できるかんたんな呼吸法が紹介されている点」です。
1日1分で自分を冷静に見つめることができるのは、うれしいですね。
呼吸が整えば、自分を冷静に見つめることができるだけでなく、
体調が良くなったり、集中力が増したりもします。
600円でこれらの効果が得られるのなら儲けものですね。
「感情の整理がうまくできない」と感じたら読む本
自分を客観視するには、
感情をコントロールすることが欠かせません。
本書には、さまざまな感情コントロール法が軽快な語り口で語られています。
それぞれの方法のネーミングも独特で、すらすらとページが進んでいきます。
レビューの点数も5点中4.5点と非常に高いのも、この本の魅力を物語っていますね。
感情に振り回されてしまい、上手くいかない人にぜひおすすめしたい1冊です。
仕事や人生を有利に進めるために読んでおきたい記事
仕事や人生を有利に進めるために、
客観視は重要です。
しかし、それだけでは足りません。
他にもいろいろな能力があって、
はじめて成功することができます。
当ブログでも、そのための考え方について紹介しています。
興味があればぜひ読んでみてください。
これらの記事が、
あなたの人生を変える小さなきっかけとなれば幸いです。
頭の回転を速める方法
生きるためには、
頭の回転の速さが不可欠です。
頭の回転が速ければ、
仕事も人生もきっとうまくいくでしょう。
しかし、頭の回転はすぐに速くすることはできません。
日々の積み重ねが大事なのです。
ですから、少しでも早くその方法を知ることが大事です。
本記事では、その方法について解説をしています。
頭をリセットして回転を速める
なんとなく疲れているのは、情報過多のせい。デジタルデトックスをしよう。
情報過多の社会。
私たちの脳は疲れ切っています。
疲れ切っているために、
実力の半分も出し切れていないのが実情です。
その疲れを取るのに有効なのが、
デジタルデトックスです。
本記事でデジタルデトックスの方法を学びましょう。
不安をなくそう
不安は脳の性能を引き下げます。
常に不安が頭にある状態だということは、
常に自分の力を100%引き出せていないということ。
これはとてももったいないですね。
もし、あなたの脳を100%活用することができれば、
今よりもさらに素晴らしい人生を送れるでしょう。
では、どうすれば不安を追い出すことができるのか。
その方法を本記事で見ていきましょう。