3分で分かる!人工知能とは一体何か?
昨今、人工知能に関するニュースが目立っています。
人間に勝利する人工知能を搭載した将棋ソフト。
googleが開発、試験中の自動運転をする人工知能。
人間と対話できる人工知能搭載対話システム「Siri」。
日に日にその性能は向上しているように見えます。
しかし、人工知能とは一体何か?と聞かれたとき、上手く答えられるでしょうか?
「なんとなくはわかるけれど、上手く説明できない…。」という人が多いと思います。
そこで、今回は人工知能とは一体何なのか?を見ていきたいと思います。
目次
人工知能とは何か?
人工知能(AI:artificial intelligence)とは一体何でしょうか?
一般的には、「人間のように思考するコンピュータ」と定義されています。
しかし、人間のように思考するとは一体どういうことなのでしょうか?
例えば、電卓が人工知能と思う人はいないでしょう。
決められた規則に従って、答えを出しているだけなので、人工知能というよりは、単純な機械のようなイメージが強いのではないでしょうか。
一方でSiriのような対話システムが人工知能であるという主張に疑問を持つ人は少ないと思います。
こちらの複雑な問いかけに対し、筋の通った回答をする様は、まるで人間のように見えます。
しかし、このどちらも結局のところルールに従って出力を決めているにすぎません。
そのルールが単純か、複雑かの違いに過ぎないのです。
電卓の場合は、単純な四則演算のルールで、Siriの場合は問いかけに対する回答の複雑なルールが設定されているのです。
こうなると、人工知能であるかそうでないかは判断する人の主観に寄ってしまうことになります。
人間のように考えていると思えるか、そうでないかという基準です。
このように現状では、人工知能という言葉の明確な定義は決まっていないのです。
人工知能の4段階のレベル
しかし、人工知能の定義が曖昧では話が分かりにくいです。
そこで、人工知能をその性能レベルから4段階に分けて考えてみます。
レベルが上がるにつれて、より人間らしい思考をしているように見えます。
Lv.1:単純なルールに基づいて処理を行う
Lv.2:より複雑なルールに基づいて処理を行う
Lv.3:観点に基づいてルールを作りだす
Lv.4:自ら観点を作り出す
それぞれのレベルについて、詳しく見ていきましょう。
Lv.1:単純なルールに基づいて処理を行う
話を分かりやすくするために、倉庫で働く人工知能を例に考えてみましょう。
倉庫では、ルールに基づいて荷物の大きさを小と大に分けています。
「○kg以上のものは大、それよりも軽いものは小」といった具合です。
このように、判断基準が一つしかないような単純なルールに基づいた判断を行うものを、Lv.1の人工知能とします。
この場合は、判断基準が「重さ」のみになります。
リモコンなどがこのLv.1に該当するといえるでしょう。
ボタンを押すと、音量を上げたり、下げたりします。
この場合の判断基準は、「ボタンが押されたか、そうでないか」になります。
このレベルは、人工知能というよりは、制御システムと言った方が一般的かもしれません。
そしてこのレベルの人工知能は、非常に単純な処理しかできません。
Lv.2:より複雑なルールに基づいて処理を行う
より複雑なルールというのは、判断基準が複数あるということです。
例えば、判断基準が重さ以外に、「割れ物かどうか」、「天地無用でないか」などがあるような場合。
この例では、判断基準が数個しかありませんが、これが数十、数百と増えていくと、より複雑な処理をすることが可能になります。
電卓などがこのLv.2に該当します。
「先頭にマイナスがついていないか」、
「かっこがないか」、
「足し算と掛け算が混合しているか」
など複数の判断条件に基づいて、処理を行います。
このレベルの人工知能は、ルール次第で非常に複雑な処理を行うことが可能です。
しかし、複雑なルールを作成すること、そのメンテナンスに非常に手間がかかるというデメリットがあります。
Lv.3:観点に基づいてルールを作りだす
観点とは、どこに注目するかということです。
たとえば、荷物の仕分けをする場合、重さに注目するということを教えてやれば、自分で「○kg以上は大に分類しよう」などと考えるのです。
いくつか荷物を仕分けた結果、平均が大体3kgくらいということがわかったら、3kg以上は大、それより軽かったら小と判断するようなイメージです。
また、作業を行っていく中で平均値が変わったら、それに応じてルールを変更していくなど、柔軟な対応も可能です。
このレベルの人工知能は、かなり複雑な処理を行うことが可能です。
また、自らルールを修正、変更するので、メンテナンスに手間もかかりません。
しかし、観点を教えてやらないといけないというのと、観点以外のことは気にしないという欠点があります。
例えば、重さだけを判断基準にしているので、明らかに形状が違うもの(例えばゴルフバッグなど)も一般の荷物と同じように振り分けてしまうのです。
このように、教えられた観点以外の異常を検出できないという欠点があります。
Lv.4:自ら観点を作り出す
Lv.4の人工知能は、自らルールの観点を作り出すことができます。
ルールがない状態で荷物の仕分けをさせると、
「これは重さで判断したほうがいいな」とか、
「これは今までのものと異なる形状だから新しいルールを作った方がいいな」
などと判断するのです。
これは言い換えれば、特徴を抽出するということです。
一般的な荷物とは、
「立方体の形に近く、段ボールに格納されている。また、重さが○kg~○kgにあたるもの。」
というような特徴を、教えられることなく自ら抽出するのです。
特徴がわかっているから、それに当てはまらないものが出現した時に異常を検出したり、新しいルールを作ったりできるのです。
そして、その特徴を抽出する際の判断基準を自ら作り出せることが、Lv.3との大きな違いです。
このように人工知能と一口にいっても、いろいろなレベルが存在します。
これらをまとめて人工知能と呼んでいることが、人工知能をわかりにくくしています。
「いまここで使われている人工知能とは、どのレベルなのか?」を意識すると、話が分かりやすくなってくるかと思います。
今回のまとめ
・人工知能の定義は定まっていない。
・人工知能の4段階のレベル
Lv.1:単純なルールに基づいて処理を行う
Lv.2:より複雑なルールに基づいて処理を行う
Lv.3:観点に基づいてルールを作りだす
Lv.4:自ら観点を作り出す
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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