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最終更新日:2017/05/20

質問力を鍛える!いい質問をするための12のテクニック

こんにちは。
今回紹介する本は『米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない』です。
本書はタイトルの通り、米陸軍諜報指導官が執筆したもので、交渉事から見出した「どうすれば相手から欲しい情報を引き出すことができるか」に関して記されたものです。
ひとことで言えば、質問力を鍛える方法、いい質問を繰り出す方法について書かれたものです。

タイトルがものものしいので、誘導尋問とか強要などの手法について解説されたものかと勘違いしますが、普段の生活でも役に立つ情報がたくさんあります。
以下、本書の紹介文の抜粋です。

本書で明かす質問テクニックは、尋問などの対人諜報活動の世界で生まれたものだ。
まずは、あなたの尋問に対する先入観を全て切り捨ててほしい。
この技術は、強要や威嚇など、口を割らない捕虜や容疑者に対するものとはまったく関係ない。
あまり乗り気でない相手を「もっと話してもいいかな」とう気持ちにさせる技術だ。
どの職業分野でも、身につければ効果はすぐに現れる。

このように、質問力を鍛え、いい質問ができるようになることは、普段の生活やビジネスでも役に立つ技術だということです。

では、具体的に良い質問ができることのメリットは何なのか。
どうすればいい質問をすることができるようになるのか。
今回は、そうした質問についてみていきます。

いい質問のメリット

目次

いい質問ができる5つのメリット

まずは、良い質問ができるとどんないいことがあるのかを見ていきましょう。

人間関係が上手くいく

質問力を鍛え、いい質問ができるようになると、人間関係が上手くいきます
いい質問は相手との距離をグッと縮めてくれます。
何気ない質問が、相手を饒舌にさせ、今までの気まずさが嘘のように和やかな雰囲気になった。
そんな経験は皆さんにもありませんか?
もし、狙った時にいい質問ができるようになればいいですよね。
このように人間関係を良くするためにも、質問力を鍛えるのは有効です。

聞く力が鍛えられる

質問は情報を引き出すことが目的です。
引き出した情報は当然一言も聞き洩らさないようにしますよね。
つまり、質問力を鍛えることによって、引き出した情報を聞く力も鍛えられるのです。
コミュニケーションの基本は聞くことです。
聞くことによって、相手のことを理解することができます。
また、真剣に聞くことで、相手から信頼感を得ることができます。
ビジネスでは、聞くことで相手の抱える問題が見え、それを商機に変えることができます。

普段の生活でもビジネスでも、聞き上手であることは優れた能力となります。
質問力を鍛えることで、聞く力も鍛えることができるのです。

批判的に考える力が鍛えられる

いい質問をするためには、相手の話をよく聞き、欠落や矛盾、嘘を見抜かないといけません。
また、自分の求める情報にたどり着くために、どの情報が必要なのか、不要なのかを判断する必要があります。
このような高度な知的作業を繰り返す過程で、批判的に考える力が鍛えられるのです。

本人が自覚していない情報を引き出せる

本書に、「幾何学を学んだことのない奴隷少年がソクラテスの一連の質問に答えることで、複雑な問題を解いた」という話があります。
つまり、いい質問は本人が自覚していない情報を引き出すことができるのです。
そして、その情報は思いもよらないような問題を解決してくれたりします。
まさに、この奴隷少年が幾何学の問題を解いたようにです。
質問力を鍛えることで、その人の中にある貴重な情報を引き出すことができるようになるのです。

自分の気持ちがわかるようになる

自分のことはわかると思っていても、意外とわからないものです。
自分が何を考えているのか。
どうしてあんな行動をしたのか。
自分が本当はどうしたいのか。
突き詰めて考えてみると、意外とよくわからないものです。

しかし、質問力を鍛え、いい質問を自分に投げかけることができるようになればどうでしょうか。
いい質問を投げかけることで、自分の見えなかった部分が見えてきます
自分が本当はどう思っているのか。何を大切にしたいのか。
これらのことがはっきりわかれば、これからの人生も自信をもって生きていけるのではないでしょうか。
このように質問力を鍛えることで、本当の自分を理解できる、いい質問を投げかけられるようにのです。

まとめ

いい質問ができる5つのメリット
1.人間関係が上手くいく。
2.聞く力、情報分析力が鍛えられる。
3.批判的思考力が養われる。
4.相手から有益な情報を引き出せるようになる。
5.自分に質問することで、自分の本心がわかる。

いい質問をするための12のコツ

良い質問ができることのメリットがお分かりいただけたかと思います。
では、次にどうすればいい質問ができるのか。
その方法について詳しく見ていきます。

オープンクエスチョンを心がける

オープンクエスチョンとは、答え方の幅が広い質問のことです。
例えば、
「今日の朝は何を食べましたか?」
「あなたの好きなスポーツは何ですか?」
などです。

逆に「はい」や「いいえ」でしか答えられないような質問のことをクローズドクエスチョンと言います。
例えば、
「今朝はご飯を食べましたか?」
「サッカーは好きですか?」
などです。

オープンクエスチョンは回答の幅が広い分、いろいろな情報を引き出せます
しかし、クローズドクエスチョンはそれに対する肯定か否定かしか返ってきません。
その質問以上の情報は返ってこないのです。
なので、質問をするときはオープンクエスチョンを心がけましょう。

疑問詞を先頭に置く

疑問詞というのは「何」、「だれ」、「どこで」、「どうやって」、「どれくらい」などの5W1Hを聞く時に使うものです。
これらを先頭に持ってくることで、何を聞きたいのかがはっきりします
「何が成功の要因だったのか?」
「どこでそれを見たのか?」
このように聞けば、何を聞きたいのかがはっきりします。

また、疑問詞を先頭に置くことで、自然とオープンクエスチョンになります
オープンクエスチョンのいい点は先ほど説明したとおりです。
疑問詞を先頭に置くことで、いい質問となるのです。

導入が長いのはNG

例えば、こんな質問。
「先ほどの説明で、○○によって作業効率が××%上昇し、その余剰時間を他作業にあてることができたとありました。
その他作業というのは、商品の売り込み活動のことで、その結果売り上げに貢献できたとありますが、これは具体的にどれくらいだったのでしょうか?」
会社のプレゼンの後の質疑応答など、こんな質問が多いですよね。あまりいい質問とは言えません。

質問の趣旨は売り上げがいくらかですが、前置きが長いせいで、何を聞きたいのかがわかりにくいです。
このように不要な情報で導入が長くなると、何を聞きたいのかがわかりにくくなります
また、そのせいで期待する情報も返ってこないでしょう。
いらない情報を長々と加えてしまうのは、自分は話の内容を理解できていることを無意識的にアピールしているからです。
しかし、質問はアピールの場ではないので、そのことを意識して不要な情報を加えないようにしましょう。

不要な情報を削ぎ取って、何を聞きたいのかをはっきりさせる。
シンプルにしていく事で、洗練されたいい質問となります。

一度に二つ以上のことを質問しない

質問の原則として、一度に二つ以上のことを聞いてはいけません
例えば、「今日は何をしていたの?どこかでご飯は食べたの?」などです。
この質問の悪いところは、「主旨がぶれる」「長くなる」ことです。

上の質問では、「今日何をしていたか」、「どこにいたのか」、「何を食べたのか」と3つのことを同時に聞いています。
これだけを見ると相手が一番聞きたいことが何かがわかりません
こうなると質問された側が一番話したいことを重点的に話してしまう可能性が高くなってしまいます。
質問された側は、一番最初に聞かれた「何をしていたの」が重要だと思い、詳細に答えたけれども、本当に聞きたかったのは「何を食べたか」だった…。
このように、質問する側、される側で行き違いが起こってしまう可能性があります。

また、一度に複数のことを聞くと、質問文が長くなります
何を聞かれたのかを覚えておきながら、質問に対する答えを考えるのは、負担のかかる作業です。
そのため、情報が抜けたり、正確な情報が得られなかったりします
質問の目的がほしい情報を得るためのものであれば、これは避けたいです。
いい質問の原則は「一つの質問で一つのことを聞く」なのですね。

「他には?」と問いかける

他には?と質問することで、今話していることの全体像を知ることができます
以下本書からの引用です。

幼い子に「お昼は何を食べたの?」とたずねたら「サンドイッチ」と答えた。
すると、大人は次の質問でつい「何のサンドイッチ?」と聞いてしまう。
しかし、会話を発展させる効果的な質問は「他にはお昼に何を食べたの?」。
すると、サンドイッチの他に牛乳、桃、クッキーを食べたとわかる。

そこまでわかったところで「何のサンドイッチ?」と聞く。
この流れで行かないと、サンドイッチ以外のメニューはわからずじまいになる。
未熟者は、跳ね返ったボールだけを追いかけてしまう。
そうならないための訓練だ。
一つの情報を掘り下げる前に、すべての情報が出尽くすまで同じ質問を来る返すこと。

最初に「他には?」と質問することで、今話している内容の全体像が分かります。
それを最初に把握したうえで、個々の要素について深く質問することで、聞き出せる情報の抜け、漏れがなくなるのです。
私たちは、一つの情報をすぐに追いかけていってしまう癖があります。
これは相当意識していかないと身につかない技術かもしれませんね。

最終手段、2歳児になりきる

ここまで、いい質問のコツを紹介してきました。
数はそれほど多くないですが、実践するとなるとなかなか難しいかと思います。
質問のたびに、「いい質問をするためのコツは、これとこれと…」と考えるのは大変です。
そこでお勧めしたいのが、「2歳児になったつもりで質問する」です。

2歳児というとなんでも疑問に思ったことを、「どうして」、「何で」と聞いてきます。
実はこれがいい質問の基本なのです。
これらの質問は、
・オープンクエスチョンである
・疑問詞を使っている
・不要な情報がなく、簡潔
・一つのことしか聞いていない
と、いい質問の条件を満たしているのです!

なので、いろいろ意識して質問するのは大変だと感じた方は、まず2歳児になったつもりで質問してみてください。
そうすることで、自然と質問力が鍛えられ、いい質問をできるようになるはずです。

ストレートに聞く

まず一つ目はストレートに聞くです。
これのいいところは、質問の主旨がわかりやすい点です。

ストレートに聞くためのコツは以下です。
・疑問詞を使う
・余計な情報、前置きを加えない
・オープンクエスチョン

このストレートに聞くことが、いい質問の基本形になります。
ストレートに聞いてみて、上手く情報が引き出せなかったら、以降のタイプを使っていきます。

分かっていることをあえて聞く

分かっていることを聞くのは、無駄なように思えますが、意外ないい効果があります。
それは、相手の考えている事や態度をうかがい知ることができることです。
例えば、相手が何かを隠していて、自分がそれを知っている場合。
あえてわかっていることを質問することで、答える気があるかを知ることができます。

また、答える時の様子などからそのことについてどう考えているかをうかがうことができます
例えば、共通の知り合いの近況を尋ねるなど。
その回答ではなく、答える時の様子からその知り合いに対していい印象を持っているのかなど、どう思っているのかを見ることができます。

このように、相手の動機や考え、背景などを知りたいときに、この質問は有効です。
状況によっては答えがわかっていることを聞くのが、いい質問になります。

同じことについて、別の聞き方をする

この質問方法によって、相手の答えを信頼していいのかを確かめることができます。
本書にいい例があるので紹介します。

たとえば、「現在XYZ小隊は何名だ?」とたずねると、聞かれた兵は「XYZ小隊は22名です」と答えた。
しばらくして、同じ兵と他の事(例えば武器)の話をしていて、「XYZ小隊にM16自動小銃は何丁あるか?」と聞く。
答えは「22挺です」。

この場合、小隊の人数と銃の数が一致しているので、この情報は正しいと判断できます。
ポイントは、少し時間を空ける、もしくは別の人間に聞くことです。
立て続けに質問したり、同じ人間に聞いたりすると、簡単につじつまを合わせることができるからです。

同じことをいろいろな方向から質問する

一つのことについて、いろいろな観点から聞くのもいい質問の一つです。
例えば、以下のようなものです。
「あなたは○○をしましたか?」
「なぜ○○をしたのですか?」
「○○をするとどんないいことがありますか?」
「毎日○○しているのですか?」

これらの質問は、結局「何をしていたのか?」を聞くものです。
それをいろいろな方向から質問しているだけです。
これにより、話の整合性を確かめることができます。
話におかしな点を感じたら、いろいろな方向から質問をしてみてください。

自分の答えを確認させる

相手の回答を確認することで、間違った情報を正すことができます。
回答をするときは、そのことに集中してしまい、相手がどう受け取るかまで気が回らないことが多いです。
そのため、自分の意図したものとは違った意味で相手に伝わってしまうこともあります。
このような場合に、相手に確認を促すことで、本当に言いたいことに近づくことができます。

たまには息抜きの質問をする

いいタイミングで、息抜きの質問をすると、話をスムーズに進めることができます。
例えば以下のような質問です。
A:「すばらしい成果を上げているようですが、何か気を付けていることなどあるのですか?」
B:「仕事ではチームワークを大事にしています。学生時代の部活から学んだ事です。」
A:「学生時代はどんなことをしていたのですか?」

このように本筋に関係はあるが、主題ではないことを聞くことで、相手の警戒心をほぐします。
いいタイミングを狙って、息抜きの質問を仕掛けてみてください。

まとめ

いい質問をするための12のコツ
1.オープンクエスチョンを心がける。
2.疑問詞を先頭に置いて、「何を聞きたいのか」をはっきりさせる。
3.導入は短く。不要な情報は付け加えない。
4.一度に二つ以上のことを質問しない。
5.「他には?」と聞いてみる。
6.2歳児になったつもりで質問する。
7.ストレートに聞く。
8.わかっていることをあえて聞いてみる。
9.同じことを別の聞き方で聞いてみる。
10.同じことをいろいろな角度から質問する。
11.自分の答えを確認させる。
12.いいタイミングで、息抜きの質問をする。

さらに良い質問をするための高等テク

ここまで良い質問をするためのテクニックを紹介しました。
しかし、これらは基本スキルに過ぎません。
より良い質問をしていくには、これから紹介する高等テクをつかっていく事も必要になってきます。

しかし、これは応用的なスキルなので、まずは基本スキルをしっかりと身につけることが大事です。
それがしっかり身についてから高等テクをマスターしていくのが良いです。

それでは、その内容について詳しく見ていきましょう。

こちらの意図がばれないようにする

質問の意図が見透かされてしまうと、いい回答が得られないことがあります
例えば、バイトのシフトを変わってもらいたい時、ストレートに「○日って空いてる?」と聞くと、その日にシフトを変わってほしいのだなと思われてしまいます。
意図がばれてしまうと、空いているのにも関わらず、予定があるといわれてしまうかもしれません。
ここでワンクッション入れるとこちらの意図がばれにくくなります。
例えば以下のような具合です。
A:「○日って休日なんだね。」
B:「みたいだね」
A:「結構出かける人が多いみたいだね。何か予定ある?」
B:「いや。特にないかな…。」
A:「じゃあ、よかったらシフト変わってくれないかな?」

このようにワンクッションはさむことで、こちらの意図がばれにくくなります
それによって、こちらの意図する情報をスムーズに引き出すことができすのです。

回答の信頼度を確かめる

人が質問に答えるには以下の動機が必要です。
・しゃべりたいという欲求
・回答することで利益を得られる場合
・回答することで不利益を回避できる場合
・借りを返そうとする場合

もし、これらの理由がないにもかかわらず回答を得られた場合、相手が嘘をついている可能性があります
その場合には、同じことを聞き直したり、別の視点から質問しなおし、話の整合性を確かめる必要があります。

また、話の途中で場面が飛んだり、ある期間のことが抜けていたりする場合は、そこに嘘や矛盾が潜んでいる可能性があります。
そのような個所を見つけたら、重点的に質問し、話に問題がないかを確認しましょう。

直感で見抜く

相手の話し方や声の調子が変わった時は、嘘をついている可能性があります。
例えば、以下のような変化が考えられます。
・いつもと話しぶりが変わる
・急に饒舌になる、または逆
・ひきつった声になる
・言葉に詰まる。あーとかあのとか

また、嘘をつくときに平静を保てる人はいますが、3回続けられる人はいないそうです。
なので、回答が嘘と思われる質問を何回もし、相手の声の調子の変化から嘘を見抜くこともできます。
いずれにしても、直感で嘘を見抜く際は相手をよく観察することが重要です。

まとめ

・直接聞くことを避け、意図を見透かされないようにする。
・あえて答えがわかっている質問をすることで、回答の信頼度を確かめる。
・直感で相手の変化を見抜く。

相手の性格タイプに合わせた質問をしよう

さきほどは、どんな人にでも汎用的に使える質問スキルについてみてきました。
ここからは、相手の性格タイプ別の適切な質問方法を見ていきます。
人は性格によって、質問への反応も異なるため、それを早めに見極め、適切な質問方法をとっていくことが大事なのです。
本書で紹介されている性格タイプは以下の4種です。
・統合思考タイプ
・独裁者タイプ
・解説者タイプ
・回避タイプ

では、それぞれの性格タイプの特徴と適切な質問方法を見ていきましょう。

統合思考タイプ:一般論か、自分の意見かがわかりにくい

この性格タイプは、協力的で質問に対して適切な答えを返そうとする傾向があります。
一方で、自分の本心ではなく、世間一般でいいと思われていることを話す傾向があります。
なので、一見質問が上手くいっているように見えても、結局本心が聞けないという事態になることもあります。
自分の意見ではないので、根拠が薄かったり、一貫性が乏しかったりするのもこの性格タイプの特徴です。
この性格タイプから情報を引き出す際は、その回答が世間一般で言われていることなのか自分の意見なのかをしっかりと見極める必要があります。

独裁者タイプ:事実か意見かがわかりにくい

この性格タイプは、自分に自信があるため断定的な物言いをする傾向があります。
そのため、それが事実なのか自分の意見なのかがわかりにくいときがあります。
なので、この性格タイプに対しては、事実か意見かを確かめるための確認の質問が必要な時もあります。

解説者タイプ:欲しい情報がなかなか出てこない

この性格タイプは、質問に対して事細かにすべて答えようとする傾向があります。
重要でないを長々と話したり、時系列順に話したりと、優先度をつけることが苦手です。
そのため、なかなかこちらの欲しい情報が聞き出せないことがあります。
この性格タイプにはある程度回答の幅を絞った質問をして、答えを導いてやる必要があります。

回避タイプ:意図する答えが返ってこない

この性格タイプは質問への回答をはぐらかし、自分の本心を隠そうとする傾向があります。
例えば以下のような具合です。
A:「この前見た映画はどうだった?」
B:「よかったという人が多いね」
このように、自分がどう思っているのかを明かさない傾向があります。
なので、この性格タイプに対しては、「君はどう思ったの?」など質問のしかたを変えて、同じことを聞く必要があります。
こちらの意図する情報が得られなかったことを、やんわりと指摘してあげるのです。

まとめ

性格タイプ別質問方法
・統合思考タイプ:一般論か、自分の意見なのかを見極める。
・独裁者タイプ:事実か意見かを見極める。
・解説者タイプ:回答の幅を絞って、答えを誘導する。
・回避タイプ:「あなたの意見」がほしいことを強調する。

引き出した情報を整理するコツ

ここまで、いい質問をするためのコツを紹介してきました。
しかし、いくらいい質問で有効な情報を引き出すことができても、それを上手く整理できなければ意味がありません。
それに情報を上手く整理できれば、不明点やもっと深堀するべき点が見えてきます。
それによって、より鋭い質問ができるようにもなるのです。
そこで、次は、質問から得た情報をどうしたら効果的に整理できるか、その整理術について紹介していきます。

情報は属性ごとにグループ分けすることで利用しやすくなります。
情報が全く整理されず、漠然と書きつけられたメモと、領域別に整理されたメモなら、当然後者の方が利用しやすいです。
また、何かを記憶する際も情報を整理することで効率が定着率が上がります。
記憶術=頭の中の情報整理術とも言われています。
これらのことからわかるように、情報は整理術と組み合わされることによって価値を持ちます

本書では長年の経験から、以下の4つの領域ごとに情報を整理することを推奨しています。
1.もの
2.場所
3.出来事
4.人

以下それぞれの領域ごとに詳細を見ていきます。

情報領域その1.もの

一つ目の領域は「もの」です。
コップや机、パソコンなどのものです。

ものの情報を知るのには以下のような5W1Hを問う質問が有効です。
「それは何か?」
「何に使うのか?」
「だれが使うのか?」
「何のためにあるのか?」

ものという情報領域をさらに5W1Hで整理していくのです。

情報領域その2.場所

場所について考える際は、道を尋ねる時を考えればいいです。
道を尋ねる時は次のような情報がほしいはずです。
・行く途中に何が見えるか
・どの建物が目印になるのか
・どれくらいの時間がかかるのか
・なんという通りを行くのか
・それはどんな道路か?狭い、広い?

このようにいろいろな角度から質問し、情報を要求することが重要です。
そのためには、実際にその場所をイメージしてみるといいです。
欠落した情報はイメージできません。
建物の高さがわからなかったり、屋根の色がわからなければイメージできないように。
実際にその場所に行った時をイメージして質問することで、情報の抜け、漏れが少なくなります。

情報領域その3.出来事

出来事の情報を整理するポイントは、出来事が起こった瞬間と、その前後の出来事を分けて考えることです。
まず、出来事そのものに焦点を当て、質問していきます。
十分に情報が引き出せたら、今度は前後に何があったのかを質問していきます。
このように、情報を分けて考えることで原因と結果の関係がわかりやすくなります。

また、情報整理術とは関係ないのですが、出来事について質問するときは、順不同に聞くことが有効です。
そうすることで、もし相手が虚偽の情報を話していた場合、食い違いや矛盾を発見しやすくなります。
相手の情報が疑わしいときは、有効な質問方法だといえるでしょう。

情報領域その4.人

人の情報を整理するときのポイントは、個人情報人間関係です。
個人情報はその人自身に関する情報のことです。
例えば、名前、年齢、出身地、経歴、職業など。

人間関係のについて聞くときは、細心の注意を払う必要があります。
例えば、親子の関係を聞くことを見ても、この質問を何とも思わない人がいる一方で、そのことを聞かれると不機嫌になるという人もいるでしょう。
それほど、人間関係の情報というのはデリケートなものです。
質問するときは最新の注意を払い、不穏な空気を感じたらすぐに中止する。
また、得た情報は不用意に漏らさないように気を付けないといけません。

まとめ

まず、得た情報を、もの、場所、出来事、人に分類する。

分類が完了したら、以下の要領で足りない情報を引き出す。
・もの:5W1Hを意識して、実態を明らかにしていく。
・場所:視覚化することで、足りない情報を洗い出す。
・出来事:出来事が起こった瞬間と、その前後の出来事に注目する。
・人:その人自身の情報と人間関係の2つの側面から質問していく。

参考図書紹介

以上、質問力を鍛えるコツでした。
いかがでしたでしょうか。

本記事の内容は、『米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない』を参考にしています。
本書は、質問について体系的にわかりやすくまとめられています。
専門用語や難しい言い回しも少ないので、ストレスなく読むことができます。
また、具体的な質問例や問答の様子なども豊富で、内容が理解しやすいです。
質問について知るためのいい入門書になるかと思います。
いい質問をできるようになりたいという人はもちろん、会話を盛り上げられるようになりたいという人にもおすすめです。
いい質問は会話をはずませることができますからね。


米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない



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