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公開日:
最終更新日:2016/06/19

私たちはなぜ生きているのか?

こんにちは。
今回は「生きがいの創造」を紹介していきます。
この本は、「人間が何のために生きているのか、死んだあとどうなるのか」ということを科学の視点からみていく本です。
現代人にはなかなか理解しにくい部分もありますが、自分の人生に何らかの価値を見出すヒントが数多くちりばめられています。
では、さっそく内容の方を見ていきましょう。

[完全版]生きがいの創造 (PHP文庫)

人はなぜ生きているのか?

人はなぜ生きているのか?
本書ではそれを「学ぶため」としています。

本書では人間は以下のようなシステムで転生を繰り返していると述べています。
人間は本来は意識体(魂のようなもの)として、中間生(あの世のようなもの)に存在しています。
それが、ある時期に差し掛かると魂としての格を上げるために人間として生まれきます。

その際、自分が魂であったことは覚えていません。
もしそれを覚えていたら、学べることが少なくなるからです。
というのも私たちは人間として生まれる前に、自分の人生を計画しているのです。
その計画では、今回の人生で何かを学ぶために「試練」を設けています
もし魂だったときのことを覚えていたら、「しょせん自分で設けた試練だ」といって本気で取り組まない可能性も出てきます。
また、失敗したら自殺してあの世に戻ればいいやという短絡的な考えを生み出してしまう可能性もあります。
練習だと思って練習していると、いつまでたっても試合で使い物にならないのと同じようなものですね。

本書ではこのあたりのことを多くの事例を通じ、科学的に証明しています。
本記事では割愛するので、気になる方はぜひ本書を確認してみてください。

真実かどうかは重要じゃない

これが真実かどうかはわかりません。
確かめる術もありません。
しかし、このように人生は偶然ではなく、すべて必然であると考えることで人生に対し前向きに生きていく事ができます。

例えば、両親を恨んでいる場合。
もし、自分の人生が偶然の産物だとしたら、
「なぜこの親の元に生まれてしまったのか」、
「この親が子供を産もうと思わなければ、こんなつらい思いをすることはなかった」
などと、他人や世界そして自分までもを憎むような後ろ向きな生き方しかできなくなってしまいます。

これが、自分で選択した結果だと考えてみたらどうでしょう。
「この試練はいったい何を学ぶためのものなのだろうか」
「これを乗り越えることでさらに高みに行ける」
人生に対して前向きにかかわっていく事ができます。

仕事がつらい、人間関係がつらいというのも同じことです。
自分が選択したことであり、だからこそそれは自分の手でどうにかできることである。
自分の運命は自分の手で切り開くことができる。
生まれ変わりが本当かどうかということは置いておいて、そう信じることで前向きな思いをもって生きることができるのです。

自己責任論は自分を苦しめる

私たちは思い通りになることが豊かな人生だと思っています。
努力さえすればそれに応じて望んだものが平等に手に入る。
そんな感覚で生きいる節があるかと思います。

しかし、ほんとうにそうでしょうか。
どんなに頑張っても自分だけではどうしようもないことがあると思います。
例えば、職にありつけないことを考えてみましょう。
本人の能力不足というのもあるかもしれませんが、景気の低迷、採用の縮小などの外部要因は私たちの努力ではどうにもできません。
生まれてくる時代が違えば、簡単に就職できたかもしれません。
コネがあったら、同じ能力でも素晴らしい会社に入れたかもしれません。
それに本人の能力不足も全てが本人の責任とは言えません。
能力を高める機会に恵まれなかったのかもしれません。
もしくは能力を高めることに意味を感じる機会を得られなかったのかもしれません。
これらはその人の責任なのでしょうか?

このように考えると私たちの人生は自分ではほとんど制御することはできません
だからうまくいかなかった人の責任を全てその人のせいにするのは、間違っているのです。
そして、このような思い込みをもって生きることは、自分で自分を痛めつけることになります。
自分でコントロールできるという誤った思い込みがあるから、上手くいかなかったときに自分は価値のない人間だと責めることになります。
失敗した人を責めたてたその言葉が、今度は自分を責めたてるのです。

上手くいかないことにこそ意味がある

これは「上手くいかなければ意味がないという考え方」「結果の責任はすべて本人にあるという考え方」が根底にあります。
もし、これらの価値観を捨ててしまったらどうなるでしょうか?

人生の失敗は試練であり、それから何か大切なことを学ぶために存在しています。
そこから大切な何かを学ぶことが人生の目的なのかもしれません。
また、その失敗は生まれる前に計画されたものであり、それに挑戦することは称賛に価すべきことであると考えることもできるでしょう。
上手くいかないことが問題なのではないのです。
上手くいかないことから何も学ぶことができないのが問題なのです。

つまりこのような考え方をすることで、失敗した自分を責めず、それを乗り越えるために建設的に考えていく事ができるのです。

生きる意味

冒頭で生きるのは学ぶためだとお伝えしました。
しかし、学ぶだけであるのならば魂のままでもいいのではと思います。
その状態であの世からいろんな人間を見ていれば、たくさんのことを学べるのではないでしょうか。

それでも人間として生きるのは、本当に大事なものを知るためだからです。
人間として生きることは、思い通りにならないことに折り合いをつけていく事です。
他人や社会は思い通りになりませんし、自分自身でさえ時には自分の手に負えなくなります。
そのような思い通りにならない環境で生きていくには、何かを諦め妥協していかなければなりません。
しかし、その中で絶対に譲れない何かが見えてきます。
それが「ほんとうに大事なもの」ではないでしょうか。

これを見つけるためには自分の心に耳を傾けてやる必要があります。
仕方がないからやっているけど、本当は嫌で嫌で仕方がない。
本当は何かもっと別のことをしたいと思っている。
それは心が必死に何か大切なことを叫んでいるのかもしれません。

私たちは大事なものを見つけるために心の声を聴いてやらなければなりません。
そのためには「自分は本当はどう思っているのか?」を真剣に考えていく事が必要なのです。
私たちが自分に課した試練も、ほんとうに大事なものを真剣に考えるための手段に過ぎないのかもしれません。

本当かどうかではなく、それをどう有効活用するかが重要

今回は「生きがいの創造」から生きる意味について考えてみました。
人間には死後の世界があり、転生を繰り返しているといわれてもいきなり理解はできないと思います。
ただ、重要なのはそれが本当かどうかではなく、そう考えることで間向きに人生を生きていく事ができるのではないかということです。
実際に死後の世界があるかどうかは、死んでみるまではわかりません。
なので、それについてある、ないと考えるのではなく、その考えを今生きるために有効活用できないかを考える方がいいのではないかと思うのです。

今回の記事では紹介できなかった部分にも生きるためのヒントが数多くあるので、少しでも気になった方は是非読んでみてください。
自分の人生を考える素晴らしい機会になるかと思います。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

[完全版]生きがいの創造 (PHP文庫)

カテゴリー: 生き方
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