臆病風に吹かれないためには
引き続き、「金持ち父さん 貧乏父さん」から。
今回は経済的安定を遠ざける要因の一つ「臆病風」について考えてみます。
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臆病風は恐怖をもたらすもの
「臆病風に吹かれる」などと言いますが、一体「臆病風」とは何でしょうか?
臆病風も恐怖と同様に「恐れる」というイメージがあります。
では恐怖と臆病風は何が違うのでしょうか?
恐怖は、「怖がっている」という状態を表します。
一方、臆病風は「恐怖をもたらすもの」というような意味合いがあります。
「臆病風に吹かれる」とは、「恐怖をもたらすものによってすくみあがってしまった」とも言い換えることができます。
つまり、恐怖は結果であり、臆病風はその原因ということもできるでしょう。
臆病風に吹かれてしまうのは自分の中に「不安」があるから
先ほど、臆病風について説明しました。
では、なぜ私たちは臆病風に吹かれてしまうのでしょうか?
結論から述べると、「自分の中にある不安が正しいと錯覚してしまう」ことが原因です。
どういうことか、詳しく見ていきましょう。
例えば、あなたが今の仕事を辞めて独立をしようと考えているとします。
目標に向かって燃えていますが、その一方で「本当にうまくいくかのか…」といった不安もあります。
そんな時に同僚から、
「お前、独立しようとしてるんだって?
やめとけよ。こんな不景気にうまくいくわけがないよ。
今の会社でまじめにやってれば、毎月給料をもらえるのに何でそんな危険を冒すんだ?」
なんて言われたとしましょう。
「たしかに、その通りかもしれない。やっぱり独立なんてやめよう…。」
なんて思ってしまいそうじゃないですか?
文章として客観的に見ると、そう感じないかもしれませんが、実際こんなことを言われたら「自分は間違っているんじゃないか」と考えてしまいます。
たとえそれが、なんの根拠のない発言であったとしてもです。
では、なぜそんな根も葉もないような発言を信じてしまうのでしょうか?
それは自分の中に「上手くいかないんじゃないか」という不安があるからです。
人間は自分の感情を正当化するような情報があると、たとえそれに根拠がなくても信じてしまいます。
この辺りはアドラー心理学でも言われていることですね。
みなさんにも心当たりがあるのではないでしょうか。
何かに挑戦しようとしたときに、他人から「うまくいくわけがない」といわれて、やめてしまった。
2つの選択肢で迷っていた時に、何の根拠もない他人の助言をあてに決めてしまった。
臆病風に吹かれてしまうのは、自分の感情が他人の発言などの情報によって、正しいと錯覚してしまうことで起きるのです。
臆病風に吹かれないためには
では、臆病風に吹かれないためにはどうしたらいいのでしょうか。
結論から述べると、以下の2つを意識することです。
・自分の中の不安は常に正当性を求めていることを理解する。
・コストをかけて得た情報、何よりもその情報を得た自分自身を信じる
まず、自分の中に不安があることを理解しましょう。
同時に、その不安は正当性を強く求めていることも理解しましょう。
そうすることで、実際その場面に遭遇した時に、
「これは自分の中の不安が、正当性を求めているんだな」
と冷静に対応することができます。
そして「行動を起こそうとしている自分自身」を信じましょう。
行動しようと思うまでには、いろいろな情報を集めたはずです。
時間やお金、やる気など様々なコストをかけてきたはずです。
なのに、なぜその情報ではなく、他人の無責任な助言を信じてしまうのでしょうか?
「決断をした自分」とその自分が「努力して集めた情報」を信じましょう。
そうすることで、曖昧な不安に振り回されることがなくなるはずです。
感想・まとめ
今回は「臆病風」について考えてみました。
臆病風は自分の中の不安が原因だといいました。
しかし、何かに挑戦しようと考えているあなたの中には「不安」と同時に「期待」もあるはずです。
期待も不安と同じで、自身の正当性が認められれば行動するための強力な原動力になります。
そのためには、自分の挑戦をポジティブに受け入れてくれるような環境に身を置くのがいいでしょう。
例えば、同じ目標を持ったコミュニティに入ることなどが考えられますね。
そういったコミュニティに入るのが難しければ、自分で自分を励ますのも一つの手かもしれません。
ただ、人間は本能的に「不安」のほうが強いものです。
生物としては「不安」とか「恐怖」が優位に働いた方が生き残りやすいのです。
ですから、かなり意識して「期待」を育てていかないといけないことを覚えておいた方がいいと思います。
次回も引き続き「金持ち父さん 貧乏父さん」を紹介していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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