【超要約】5分でわかる!アドラー心理学入門
最近、アドラー心理学が話題になっています。
現代はどうしても、人と人とのつながりが希薄になり、自分に価値を感じにくいです。
そんな時代に、アドラー心理学の力強い教えが支持されているのかもしれません。
今回は、そんな注目を浴びているアドラー心理学がいったいどんなものなのかを
「漫画でわかる心療内科 アドラー心理学編」から見ていきます。
こちらは漫画なのですが、アドラー心理学の入門書としてもとてもいいです。
「アドラー心理学を面白おかしく解説する」といった感じなので、
あまり気を張らなくてよく、とても読みやすいです。
「アドラー心理学には興味があるけれど、なにから読んでいいかわからない」、
「とりあえず雰囲気だけつかみたい」
といった人にオススメです。
それではさっそく中身を見ていきましょう。
心理学の中でのアドラー心理学の位置づけ
内容に入る前に、心理学の中でのアドラー心理学の位置づけついて簡単に見ていきましょう。
心理学の世界には、「心理の三大巨頭」といわれる人物がいます。
「フロイト」、「ユング」、「アドラー」です。
フロイト心理学やユング心理学は有名なので、聞いたことのある人も多いかと思います。
しかし、アドラー心理学というのはあまりなじみがない人が多いのではないでしょうか?
これはアドラーがあまり著作を残さなかったこと、弟子を積極的にとらなかったことに起因するようです。
今回はこのアドラー心理学についての内容となります。
以降では大きく以下の5つのポイントに絞って紹介していきます!
・原因論よりも目的論
・劣等感について
・すべての人に優劣はない
・円滑な人間関係を築く秘訣
・人のためになると信じたことを行う
原因論よりも目的論
アドラー心理学では、原因よりも目的を重視します。
それは、人の現在が原因(過去の出来事など)で決まってしまうわけではないと考えるからです。
例えば、つらいことがあったとして、それで諦めてしまう人がいます。
しかし、一方でそれをバネにして頑張っていく人がいます。
なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか?
その理由を、アドラー心理学では目的だとしています。
その人が、もうやめてしまいたいと考えているのであれば、つらいことがあった時にすぐ諦めてしまいます。
しかし、逆に何としてでもやり遂げると考えているなら、つらいても頑張っていくはずです。
つまり、つらいことは直接の原因ではないのです。
もともとあった「やめたい」という気持ちを正当化するためのものに過ぎないのです。
だから、重要なのは、「やめたい」と考える本当の理由を突き止めることなのです。
表面的な原因ではなく、根本の原因を突き止めることが大事であるというのがアドラー心理学の教えなのです。
そして、アドラー心理学では、これは感情にも同じことが言えるとしています。
例えばあることをされて怒る人とそうでない人がいます。
実は、その違いも目的なのです。
怒る人は怒りたいという目的があったから怒ったのであって、怒りを誘発させるような原因があったわけではないのです。
具体的な例を挙げてみましょう。
たとえば、家族のちょっとしたことに対しても腹を立ててしまう人がいるとします。
それは、会社などで人からきつく当たられたことへの鬱憤を晴らすためなのかもしれません。
その人の家族が根本の原因ではないのです。
このように、「なぜ怒りたいと思っているのか」その感情の根本の原因を突き止めることが重要だとアドラー心理学は訴えています。
これらの「原因論よりも感情論」の考え方は、アドラー心理学全体を通して一貫している考え方です。
以降で紹介するアドラー心理学の理論も、この考え方が根底にあることを意識すると理解が深まると思います。
劣等感について
アドラー心理学では劣等感を以下のように定義しています。
・劣等感
自分の欠点に対し抱くネガティブなイメージ。
しかし、それを克服するために前向きに頑張る力を与えてくれる。
また、それと対をなす概念として、劣等コンプレックスというものが存在します。
・劣等コンプレックス
劣等感を行動で解消することをあきらめ、ゆがんだ心になること。
劣等コンプレックスを患うと、嫉妬から他人を攻撃する、虚勢を張る、過度な自虐に走るなどの行動をしてしまいます。
不平や不満を言うだけで、何も行動を起こさない人間になってしまうのです。
このような行動は人間関係に支障をきたしてしまいますね。
なので、アドラー心理学では、劣等感を劣等コンプレックスにしないことが重要だとしています。
現状に不満を言って何もしないのではなく、それをバネに成長しろというのがアドラー心理学の教えなのですね。
すべての人に優劣はない
アドラー心理学では、自分と他人を比べることに意味はない、というよりもできないと言っています。
これは犬と猫のどちらが優れているかを比較しているようなものです。
私たち人間も一人ひとり異なった存在であり、優劣を比較することはできないのです。
だから人と人との間に優劣は存在しないということになります。
たしかにある基準だけで比較すれば、そこには優劣が存在します。
例えば、年収、社会的地位などです。
ですが、それだけがその人をつくっているわけではありません。
だから、それで人の価値の優劣が決まるわけではない、というのがアドラー心理学の考え方です。
ところで、私たちは、他人よりも優れた存在になるために成長しようと頑張ります。
ですが、すべての人に優劣が存在しないのならば、何を目指したらいいのでしょうか?
アドラー心理学は、その問いに対してもきちんと答えを出しています。
それは、昨日の自分よりも成長することが重要だということです。
他人と比べて、優っているから、劣っているからといったことで自分を評価するのではありません。
今日の自分が昨日の自分よりも進歩しているかどうかを重視するのです。
円滑な人間関係を築く秘訣
人間は一人では生きていけません。
しかし集団になると今度は人間関係での悩みが発生します。
アドラー心理学は、この悩みに対しても解決策を提案しています。
アドラー心理学では、人間関係の悩みを解消するためには以下の3つを行うことが重要だとしています。
1.他者信頼
2.他者貢献
3.自己受容
他者信頼とは、自分が不完全であるように、他人もまた不完全な存在である。だから、その不完全な部分も含めて他人を認めるということ。
他者貢献とは、「みんなから必要とされている」と実感するために動くこと。
自己受容とは、自分自身に価値があると感じること。そのためには「他者信頼」と「他者貢献」が必要になる。
「その共同体の人たちを仲間と認識する(他者信頼)→その人たちの役に立つ(他者貢献)→共同体の中での自分の存在価値を実感する(自己受容)」
この繰り返しによって、人間関係の悩みを脱することができるというのが、アドラー心理学の教えです。
人のためになると信じたことを行う
先ほど、自分の存在価値を実感するためには他者貢献が必要ということを説明しました。
アドラー心理学では、その際重要なのは「実際に貢献できたか」よりも「貢献しようと行動したこと」だとしています。
なぜなら、もしその行動が貢献につながらなかったとしても、問題点を反省し、次回にいかせば無駄になりません。
また、他人に不当に蔑まれたとしても、それは他人の問題なので関係ありません。
他人の評価は、自分ではコントロールできません。
なるべく、評価を得られるような行動をとることは必要かもしれませんが、必要以上に評価を気にしても仕方ありません。
一番よくないのは、他人からの評価を気にしすぎて何も行動を起こさないことだとアドラー心理学は述べています。
このようにアドラー心理学の教えは、非常に現実的であり、力強いです。
アドラー心理学が、今ブームとなっているのには、そういったことが背景にあるのかもしれませんね。
今回のまとめ
アドラー心理学のポイント
・感情の根本原因を突き止める
・不満を言う暇があったら、行動する
・すべての人に優劣はない
・他人のために行動することによって、自分に価値を感じられる
・人のために行動し、学ぶことが大事
最後までお読みいただき、ありがとうございました!