b00k.jp ~積み上げ式読書ノート~
公開日:
最終更新日:2017/02/20

「努力が勝手に続く仕組み」の作り方

前回は「努力に対する考え方」について紹介しました。
今回は実際に努力を続けていくための「具体的な方法、コツ」を紹介していきます。

努力が勝手に続いてしまう。—偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術

自分のやったことを記録する

まず、努力を続けるためには自己効力感(自分に対する肯定的なイメージ)を高めることが必要になります。
自己効力感を高めるには以下のステップを踏む必要があります。

自己効力感を高めて維持していくには次の4つの条件があります。
1つ目は「自分が目標設定したこと」。
2つ目は「フィードバックがあること」。
3つ目は「進捗が管理されていること」。
4つ目は「自分のがんばりによって達成できるという意識があること」。
これらの4つの条件がそろうと、人は自分の行動をコントロールできているという感覚が持てるので、努力が維持できるといいます。

1つ目は「努力をしよう」と思った時点で達成されるかと思います。
ここで重要なのは2つ目以降のステップで、これらを満たすために、「自分のやったことを記録する」ことが重要になってきます。
記録をとることは以下にもあるように努力を続けるうえで大きな役割を持ちます。

それでも、自分がしていること(何をどれくらいやったか)を記録していくことは、「自分が自分の行動をコントロールできている」という感覚につながるので、
努力を続けていくためにはとても効果があります。

記録をとることで自分のやってきたことが明確になり、それだけでモチベーションの維持につながります。個人的な感覚では、口座にたまっていくお金を見るのに近いものがあります。
また、たまにその記録を見返すことで、「これだけやったのだからこれからも続けていかないともったいない」という気持ちも湧いてきます。
もし記録を取らなかった場合、

しかし、「自分は本当に目標に近づいているのか」や「いま自分がやっていることは正しいのか」に確信が持てないと、つい足が止まってしまいます。

となってしまいます。
日々の努力の記録をとることに加え、今自分がどれくらい目標に近づいているのかを知ることも重要です。
例えば、受験勉強なら模試を受けるなどです。
自分がどれくらい目標に近づいているのかがわからないと、その努力に意味があるのかが実感できませんからね。

スケジュールに組み込み、習慣化させる

努力はそれを習慣化できれば長く続けることができます
習慣化するために有効な手段が、この「スケジュールに組み込む」です。
この時重要なのが、以下の点です。

具体的な予定が目に見えるようにすることで、いちいち「さて、何をしようかな」と考えなくてすみ、だらだらとスタート時間を遅らせてしまうのを防ぐことができます。

この「何も考えなくても取り組むことができる」というのが重要なポイントなのです。ただでさえ面倒なことに対し、毎回いちいち何をしようかなんて考えるのは嫌ですね。
「帰ってきたら何も考えずにこれをやる」、「○時になったらこれをする」となっていれば自動的にそれが行われるので、何も考えずに習慣化されるわけです。
この時に重要なのが、「スケジュールを具体的にする」ことです。
具体的であればあるほど何も考えなくてよくなるからです。
本書にもあるように、人間の行動はほとんどが無意識に行われるものです。

脳科学の研究によると、人間の行動の95%は無意識によるもので、意識的に行うのは5%ほどといわれています。

めんどくさいと考える間もなく無意識的に行えるようになれば、努力はつらくなくなるのですね。

また、スケジュールに組み込むことと合わせて、取り組む前の儀式を作るとさらに効果が上がります。
儀式というとなんだか仰々しいですが、「努力をする前に行うおまじない」くらいの感覚でとらえてください。
別に大したことでなくて大丈夫です。例えば深呼吸する、決まった音楽を聴くなどです。
これを習慣化することで気持ちを切り替えるスイッチとなってくれ、行動に移すのもスムーズになります。

小さなことから始める

やらなきゃいけないのはわかっているけど、どうもやる気が出ない。そんな時にオススメなのが、「小さなことから始める」です。
これは、どういうことでしょうか?
例えば勉強をしないといけないという場合、いきなり問題を解くのはしんどいですよね。そういう場合はまず「教科書を読む」、「暗記ものから始める」など抵抗の少ないものから始めていくのです。
小さなことでもやり始めれば徐々にやる気が出てきます。気分が乗ってきたら、過去問を解いたりすればいいのです。
それすらもめんどくさいという場合は、「とりあえず教科書を開く」、「机に座る」などを目標にしてもいいでしょう。
こんなことでもしてしまえば「せっかく準備したから少しくらいやるか」という気持ちになるはずです。
この時重要なのは「先のことを考えない」ことです。先のことを考えてしまうとしんどくなってくるので、まずは「今日は机に座ることしかしない」という気持ちで始めてみてください。

先に犠牲を払う

人間は無意識に努力しない理由を作ってしまうものです。
そうさせないために本書では以下のようなことを勧めています。

さきに「お金」を投じたり、大事なものを捨てるなど、目標のために「犠牲」になるものをつくってしまうのです。

たとえばランニングを始めたいという場合、もうその時点でウェアやシューズを揃えてしまうのです。
揃えるものも中途半端なものではなく、それなりの値段のものを揃えます。
こうすることによって「ここまでお金をかけたんだからやらないとまずいな…」という気持ちが出てきます。
このように努力をするために犠牲を払うことによって、逃げ道を断ってしまうのです。

タイムリミットを設ける

脳科学的によく言われていることですが、タイムリミットを設けることで集中力を高めることができます。

脳の仕組み的には、一定の緊張感があるときのほうが集中できるといわれています。

本書では、タイムリミットを設けるために以下の手順で作業を進めることを勧めています。

自分が使える時間を把握する → やることをリストアップ → 一つの項目にどれぐらい時間が使えるかがわかる → タイムリミットが決まる

タイムリミットによる集中力の向上については、「読んだら忘れない読書術」の紹介記事にも書かれているのでそちらもご参照ください。

作業系は短時間を繰り返す

努力には作業系と思考系の作業に分けることができます。
勉強で言えば、作業系は「暗記もの」、思考系は「問題演習」などがあります。
作業系は長時間やっても集中力が持たないため、スキマ時間を利用して、短時間を繰り返すといったことをした方が効率があがるようです。
それと併せて、「頑張ろうと思わない」ことも重要なようです。

実際には暗記は完璧を目指さずにラクにくりかえしたほうが定着率が高いのです。

脳科学の研究から明らかになっていることですが、脳が暗記するのは、それが重要か重要でないかとは関係なく、単純に「接触頻度」が高いものだといいます。

暗記に関しては頑張って覚えようとしても、そうでなくても、結局その情報に何回触れたかのほうが重要なのですね。
これに関しても惰性でもいいから続けることが重要ということがいえますね。

感想・まとめ

努力というのは、習慣化できるまでがつらいと思います。
自分の例ですと、私は通勤の時間に本を読むようにしています。
今となっては毎日やっていることなので、特に努力して「読まなくちゃ」という意識を持たなくても自然にできます。
もちろん最初はかなりの負担がありました。本を読むこと自体もそんなに好きではなかったので。
あとは資格の勉強なども同じことが言えると思います。
本書にもありましたが、それ自体はきついですが、スケジュールに組み込んで、何も考えないでできるようにしてしまえば自然にできるようになります。
つまり、何が言いたいかというと「努力は習慣化できればゴール」なのではないかということです。

あと努力を続けるうえで大事なのが、本書でも書かれているように、

努力は「不完全がいちばん」「雑にやるのがいちばん」なのです。

ということだと思います。
続かない100点の努力をするよりも、40点でも30点でもいいから継続していくことが重要なのですね。
今日はやる気が出ないから、いつもより回数を減らす、もしくはやらないというような選択も、努力を続けるという長い目で見たら決して悪いことではないのですね。
意識的に雑にやってみるのもいいかもしれません。

今回は紹介しませんでしたが、本書には勉強に対する努力の方法もたくさん載っています。
著者は偏差値30からケンブリッジ大学に入学したという経歴の持ち主なので、参考にできる部分は大いにあると思います!
今回紹介した内容をより「勉強」に特化させた内容を紹介している章もありますので、興味のある方は是非手に取ってみて下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

カテゴリー: 努力


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